ビルメンの5点セットは何から取る?60代向けの取得順と合格率を整理

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60代からビルメンの資格を揃えるなら、最初の1つは危険物取扱者の乙種第4類(乙4)が向いています。私はそう考えています。受験資格がなく、初めて国家資格に挑戦する人や、短期間で取りたい人におすすめの資格として紹介されているからです。そのうえで、年1回しか試験がない第三種冷凍機械責任者(冷凍3種)の11月試験から逆算して、残りの順番を組むのが現実的です。

ビルメンの5点セットとは、第二種電気工事士、二級ボイラー技士、冷凍3種、乙4の4資格に、もう1つを足した組み合わせを指します。足す1つに公的な定義はありません。消防設備士の乙種4類を足す解説もあれば、乙種6類を採用条件にしている会社もあります。

この記事では、5つの資格の合格率、試験の頻度、受験資格を並べたうえで、60代の方が無理なく進められる取得順を整理します。60代の収入や求人の実情にも触れます。数値は2026年10月2日時点で確認できたものを使っています。

資格の勉強をするシニア男性と、ヘルメットや工具
目次

5点セットの中身は4点セットに1資格を足したもの

ビルメン5点セットは4点セットに1資格を足したものという図解

5点セットのもとになる4点セットは、第二種電気工事士、二級ボイラー技士、第三種冷凍機械責任者、危険物取扱者乙種第4類の4つです。ビル管理の業界では、ボイラー技士を単独で持つよりも、この4つを組み合わせて持つほうが評価されます。4つを揃えると転職市場での評価が大きく上がる、と資格スクールの解説は説明しています。業界未経験の人は、まずこの4点セットの取得を目標にするルートがおすすめとされています。

5つ目は、語る人によって変わります。資格スクールの解説は、4点セットに消防設備士乙種4類を加えたものを「4点セットプラス1」として紹介しています。一方で、ビルメンテナンス会社のなかには、乙4と消防設備士乙種6類の両方を採用条件にしている例があります。

つまり、5点目に何を選ぶかは、自分が働きたい会社の求人票で決まります。5点セットという言葉に、国や業界団体が決めた定義はありません。この記事でも、5点目は消防設備士の乙種4類を例に進めますが、応募先が乙種6類を求めているなら、そちらを優先してください。

5資格の受験資格・合格率・試験頻度を一覧で比べる

5資格の合格率を比べた棒グラフ

まず、検索で確認できた数値を表にまとめます。合格率は年度や回によって動くので、あくまで確認できた年度の数字です。

資格受験資格合格率試験の頻度
乙4なし31.9%(令和7年度)公式サイトで要確認
第二種電気工事士なし学科62.2%(令和8年度上期)、技能71.4%(令和7年度下期)学科と技能の2段階
二級ボイラー技士なし53.8%(2024年度)月1回から2回
冷凍3種なし45.0%(令和7年度)年1回、11月
消防設備士乙種なし乙種6類は40%公式サイトで要確認

5資格すべてに受験資格がありません。年齢、学歴、実務経験を問われないので、60代から始めても入口で止められることはありません。合格率だけを見ると、乙4の31.9%がいちばん低くなっています。

乙4の合格率は31.9%で、5資格のなかでは低い

乙4は危険物取扱者試験の乙種第4類を指します。令和7年度の合格率は31.9%でした。同じ乙種でも、第1類、第2類、第3類、第5類、第6類は合格率が62%から67%、丙種は48.0%です。乙4だけが低いのが特徴です。

理由の一つは受験者の多さにあります。令和7年度は危険物取扱者試験全体で311,230人が受験し、そのうち乙種第4類だけで222,545人、全体の71.5%を占めました。ビルメンを目指す人に限らず、多くの人が気軽に受けるぶん、準備不足の受験者も混じるのでしょう。

試験は3科目で、法令が15問、基礎的な物理学および基礎的な化学が10問、危険物の性質ならびにその火災予防および消火の方法が10問、合計35問です。各科目で60%以上の正解が必要で、各科目6問以上の正解が目安になります。得意科目で稼いで苦手科目を捨てる戦い方は通用しません。3科目をまんべんなく押さえる必要があります。

それでも私は乙4を最初に勧めます。合格率は高くありませんが、初めて国家資格に挑戦する人向けの資格として紹介されており、4点セットの一角でもあります。60代の方にとって、最初の1つを取る意味は資格そのものより、試験勉強のリズムを取り戻すことにあります。早めに1つ合格すれば、次の資格に向かう自信がつきます。

二級ボイラー技士は月1回から2回受けられるが免許交付に条件がある

二級ボイラー技士の2024年度の合格率は53.8%です。受験資格はなく、誰でも受けられる国家試験です。試験は月に1回から2回実施されるので、日程を合わせやすいのが強みです。択一式40問を3時間で解き、科目ごとの得点が40%以上で、なおかつ合計点が60%以上なら合格です。試験手数料は8,800円です。

注意したいのは、試験に合格しただけでは免許を取れない場合がある点です。免許は、学科試験の合格に加えて、必要に応じた実務経験の要件を満たすことで取得できます。ボイラーに関する学科を修めて3か月以上の実地修習を経た人、またはボイラーの取扱いの実地修習を6か月以上経た人などが、その要件に当たると説明されています。

60代の読者にとって、この点は特に大切です。試験に受かったのに免許が手元にない、という状況は避けたいところです。受験前に、自分がどの要件に当てはまるかを確認してください。詳しい要件や講習については、公益財団法人安全衛生技術試験協会のホームページで案内されています。

この資格は、病院、ホテル、大型商業施設などの設備管理の仕事に就きたい人におすすめとされています。応募先がそうした施設なら、取得順を前に持ってくる価値があります。

第二種電気工事士は学科に合格してから技能試験に進む

第二種電気工事士も、受験資格に制限がありません。学歴も実務経験も問われません。試験は学科試験と技能試験の2段階です。

令和8年度上期の学科試験は、2026年6月22日(月)12:00に合格発表がWebで公表され、結果通知書は2026年7月3日(金)に発送されました。受験者数は78,290名、合格者数は48,692名で、合格率は62.2%です。前年下期の55.4%から上昇しています。技能試験の合格発表は2026年8月14日(金)12:00にWebで公表され、結果通知書は2026年8月21日(金)に発送されました。技能試験の合格率は、令和7年度下期で71.4%という高い水準が報告されています。

数字だけ見れば、学科を越えれば技能は7割が通る試験です。ただ、技能試験は実際に手を動かして配線作業を行う試験です。60代の方は、手先の動き、細かい作業、視力に不安がないかを考えておく必要があります。工具の準備や練習にかかる費用は、今回確認した情報には含まれていませんでした。年齢別の合格率も確認できていません。年齢と合否の関係について、この記事で何かを断言することはしません。

冷凍3種は年1回の11月試験なので計画の軸になる

冷凍3種は、第三種冷凍機械責任者試験のことです。年齢、学歴、経験に関係なく誰でも受験できます。例年11月中旬の日曜日に、全国47都道府県でマークシート方式の択一式試験が行われます。令和7年度の試験日は2025年11月9日(日)、受験料は9,800円でした。

試験科目は2つです。法令が択一式20問で60分、保安管理技術が択一式15問で90分です。合格基準は各科目とも満点の60%程度とされています。令和7年度は全科目受験で7,716人が受験し、3,476人が合格して、合格率は45.0%でした。前年度は36.1%なので、上昇しています。

この資格でいちばん厄介なのは、年1回という頻度です。令和7年度の受験申込は、2025年8月18日(月)午前10時から9月3日(水)午後5時までの約2週間でした。夏に申込が始まり、秋に受験する流れです。この回を逃すと、次は1年後になります。

だから、取得順を考えるときの軸は冷凍3種になります。11月の試験日と夏の申込時期をカレンダーに先に書き込み、そこから逆算して勉強期間を確保します。毎年の正確な日程は、高圧ガス保安協会の公式サイトで確認してください。科目免除や講習による免除については、今回の調べでは詳細を確認できていません。この点も公式サイトで見てください。

冷凍3種は、空調設備の専門性を高めたい人や、大型施設のビル管理を目指す人におすすめとされています。

5点目の消防設備士は乙種4類と乙種6類で求人の書き方が違う

消防設備士の乙種4類は、自動火災報知設備やガス漏れ火災警報設備の点検と整備を行える国家資格です。乙種は受験資格がなく、受験料は4,400円で、筆記と実技の試験形式です。

乙種6類については、合格率が40%と紹介されています。乙4と乙種6類の両方を採用条件にしているビルメンテナンス会社があることは、先ほど触れたとおりです。乙種4類を5点目の例に置いたのは、4点セットに加える資格として資格スクールが紹介していたからです。乙種6類の対象設備や、乙種4類の出題数については、今回確認できた情報に含まれていないため、ここでは書きません。

5点目の選び方は単純です。応募したい会社の求人票を読み、必須や歓迎の欄に書かれている消防設備士の類を取ります。求人票を見る前に、どちらかを決め打ちして勉強を始めるのは避けたほうが安全です。

60代が取る順番は乙4、二級ボイラー、冷凍3種の日程に合わせる案が現実的

60代が資格を取る順番の一案を示した図解

ここからは、確認できた事実をもとにした私の考えです。公式に決まった正解の順番は、今回の調べでは見つかりませんでした。順番を一つに決めた体験談も確認できていません。以下は、合格率、試験の頻度、受験資格を材料にした整理だと思って読んでください。

最短で最初の1つを取りたい人には、次の順番を勧めます。

順番資格理由
1乙4受験資格がなく、初めて国家資格を受ける人向け。4点セットの一角
2二級ボイラー技士月1回から2回の試験で日程を合わせやすい。合格率53.8%。免許交付の要件は事前確認
3第二種電気工事士学科の次に技能試験がある2段階。技能は手作業なので体調と相談
4冷凍3種年1回の11月試験。夏の申込から逆算して計画
5消防設備士乙種4類か乙種6類かは求人票で決める

ただし、冷凍3種だけは、この表の順番どおりに動かせません。11月に受験できる年を逃さないよう、乙4とボイラーを取りながら、並行して冷凍3種の勉強時間を確保するのが現実的です。試験の機会が多い資格は後からでも追いつけます。機会の少ない資格を先に押さえるのが、取得順のコツです。

もう一つの考え方は、求人票から逆算する方法です。応募したい会社が採用条件や資格手当で挙げている資格から取ります。就職活動を急ぐ人には、こちらが合っています。

どちらの順番でも、私の意見は同じです。5つ揃うのを待たずに、1つ取れた時点で応募を始めてかまいません。60代は、5年かけて計画を立てるより、1年に1資格から2資格ずつ確実に取るほうが続くと考えています。これは検索で確認した事実ではなく、私の見方です。

60代前半の平均収入は357万円、ビル管の平均年収は約489万円

収入の数字を読むときは、母集団の違いに気をつけてください。60代前半の平均収入は357万円、中央値は280万円です。60代後半では平均が256万円、中央値が180万円まで下がります。定年後に働く人の収入は、300万円以下の人が大半を占めています。

一方、4点セットからのステップアップ先として、年収アップに最も直結するのは建築物環境衛生管理技術者、通称ビル管だと紹介されています。ビル管の平均年収は約489万円で、ビルメンテナンス業界のなかでは上位の資格です。

この2つの数字を並べて、60代でも489万円もらえると読むのは誤りです。489万円はビル管を持つ人の平均で、60代で未経験から入った人の年収ではありません。60代の未経験者が実際にいくらもらえるかを示すデータは、今回確認できませんでした。

大手のビルメンテナンス会社には資格手当の制度があります。建築物環境衛生管理者で月7,000円、乙4で月1,000円という例が紹介されています。金額は会社ごとに違います。月1,000円という数字だけ見ると小さく感じますが、資格の有無が採用条件になっている会社もあるため、手当の額だけで価値を測るのは早計です。

65歳以上が従業員の約4割を占めた業界で、再雇用は75歳までの会社もある

ビルメンテナンス業は、毎日繰り返せる比較的軽い作業が多く、高齢者に向いた業務とされています。安心して長く働ける企業づくりを進めた結果、勤務年数とともに平均年齢が上がっている会社があります。

職種ごとの平均年齢を見ると、ビル・建物清掃員が54.7歳、警備員が51.1歳です。シニア層が主力になっています。2015年の国勢調査では、65歳以上の高齢者が全従業員の約4割を占めていたという記述もあります。ただし、これが業界全体を指すのか一部の集計を指すのかは、引用元で確認が必要です。

少子高齢化による人手不足は社会問題になっており、ビルメンテナンス業界も例外ではありません。多くのビルメンテナンス企業では定年が65歳で、再雇用制度があります。希望者全員を75歳まで再雇用する制度を設けている企業もあります。

求人の側にも動きがあります。50代から60代以上の人を歓迎するビルメンの求人があり、20代から60代まで幅広い年齢層を募集している企業もあります。遅すぎることはない、最後のキャリア、第二のキャリアとして丁寧に支援すると打ち出している会社もあります。年齢制限がなく、実務経験もいらない6か月の短期技術研修もあり、設備管理の基礎と国家資格の取得を目指せます。

求人票で挙げられる資格は、第二種電気工事士、電気主任技術者、ボイラー技士、エネルギー管理士、消防設備士、危険物取扱者などです。

求人があることと採用されることは別で、清掃や警備から入る道もある

ここで冷静になっておきます。求人が存在することと、誰でも採用されることは違います。60代の未経験者の採用率や、どの資格を持っていれば有利になるかを数字で示すデータは、今回確認できませんでした。5点セットを揃えれば採用される、という保証はありません。

ビルメンテナンス業には、清掃、警備から、設備管理、受付業務まで幅広い職種があります。未経験でも挑戦しやすいのが特徴で、定年後の働き方として、体力に応じて無理なく続けられる仕事だと紹介されています。5点セットが評価されるのは、そのなかの設備管理、いわゆるビルメンの現場です。資格を取る前に、まず清掃や警備から入る選択肢もあります。

私は、資格の勉強と就労を同時に進める人が、60代では現実的だと見ています。働きながらビルの設備に触れていれば、試験で出てくる用語に実感が持てます。これも検索で確認した事実ではなく、私の見方です。

5点セットと60代の取得順についてよくある疑問

5点セットに公式の定義はあるのか、という疑問があります。答えは、ありません。4点セットに1つ足したものを指し、足す資格は消防設備士の乙種4類を挙げる解説も、乙種6類を採用条件にする会社もあります。

60代が最初に取るべき資格はどれか、という疑問もあります。私の答えは乙4です。受験資格がなく、初めて国家資格を受ける人向けとされているからです。合格率は31.9%と高くないので、3科目をまんべんなく勉強する必要があります。

試験の日程を逃したくない資格は何か、という疑問には、冷凍3種と答えます。年1回で、令和7年度は2025年11月9日(日)に実施されました。申込は同年8月18日から9月3日までです。

二級ボイラー技士に合格すれば、すぐに免許が使えるのか、という疑問も出ます。試験の合格に加えて、必要に応じて実地修習などの要件があります。受験前に確認してください。

試験日と受験料は変わるので、公式サイトで最終確認を

最後に、記事の数字を使うときの注意をまとめます。合格率は年度や回によって変動します。この記事の数値は、確認できた年度のものです。試験日、受験料、申込期間も変更されることがあるので、受験を決める前に、各試験の実施団体の公式サイトで確認してください。60代の合格率や採用率を示す統計は見つかっていません。ビル管の約489万円は60代未経験者の年収ではありません。資格手当の月1,000円や月7,000円も、あくまで一社の例です。

結論をもう一度書きます。60代なら、乙4から入り、二級ボイラー技士を挟みながら、11月の冷凍3種に照準を合わせてください。第二種電気工事士は学科と技能の2段階なので、手先に不安があれば早めに様子を見ておくと安心です。5点目の消防設備士は、応募先の求人票を読んでから決めます。順番を一つに決めてしまうより、自分が応募したい会社の条件に合わせて動かすのが、いちばん無駄がありません。

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