定年後の仕事選びで資格取得を考えるなら、ビルクリーニング技能士は候補にあがりやすい国家資格です。清掃業界は深刻な人手不足に直面しており、資格を持つシニア世代への需要はむしろ高まっています。厚生労働省の統計などをもとにすると、ビル清掃員の平均年収はおよそ230万円という水準です。ビルクリーニング技能士は、実務経験を積みながら3級から1級まで段階的に取得できる技能検定で、対象は主にオフィスビルや商業施設、病院、ホテルなど大型施設の清掃です。この記事では、資格の中身から老後の需要の実態、収入の目安、取得方法まで、公表されているデータをもとに整理します。

ビルクリーニング技能士は国が清掃の技能を認める資格
ビルクリーニング技能士とは、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施する学科試験と実技試験に合格した人に与えられる国家資格です。同協会は職業能力開発促進法第47条第1項に基づく指定試験機関で、合格者だけが「ビルクリーニング技能士」の名称を名乗れる名称独占資格に区分されています。技能検定制度の一種であり、資格を取得すると「技能士」という肩書きを名乗れるようになります。
試験で問われるのは、ビルの所有者や管理会社から委託を受けて行う清掃作業に必要な技能と専門知識です。床材ごとの洗浄方法や洗剤の性質、安全管理、作業計画の立て方など、清掃のプロとして押さえておくべき内容が幅広く出題されます。似た名称の資格に「ハウスクリーニング」関連の民間資格がありますが、ビルクリーニング技能士は国家資格であり、対象は個人宅ではなく大型のビルや施設内の清掃です。仕事の規模も求められる知識の範囲も異なります。
資格を持つことで、清掃を専門に行う企業やビルメンテナンス会社の下請け企業、ハウスクリーニングや特殊清掃に特化した企業への就職や転職に役立ちます。現場の作業員としてだけでなく、現場を管理する立場としての採用につながりやすくなる点も見逃せません。
1982年に技能検定に加わり2016年に等級が細分化
ビルクリーニング技能検定は昭和57年、つまり1982年5月に職業能力開発促進法(旧職業訓練法)に基づく技能検定の職種に加えられた、歴史のある国家検定です。平成28年度、つまり2016年4月からは単一等級から複数等級の試験に切り替わり、1級・2級・3級・基礎級という現在の体系になりました。
この試験は年に一度しか実施されません。受験案内の配布から合格発表までは半年以上かかるとされているため、思い立ってすぐに受けられるわけではありません。定年前から情報を集め、実務経験の年数を計算しながら計画的に準備を進めることが欠かせません。
3級の合格率は60~70%、1級は30~40%の狭き門
ビルクリーニング技能士は3級、2級、1級の三段階に分かれており、上位の等級になるほど求められる知識と技術の水準が上がります。未経験からこの資格を目指す場合、まずは3級からスタートするのが一般的な流れです。
3級は初級技能者が備えるべき技能と知識を問う入門レベルの試験で、合格率はおおよそ60パーセントから70パーセントとされています。2級は中級技能者向けで合格率はおおよそ50パーセント前後、出題内容も洗剤のpHと清掃対象の素材との相性、床材別の処理方法、安全管理や労働衛生の知識、作業計画の立て方など、より実務的な内容に踏み込みます。実技試験でも精度が求められ、清掃ができるだけでなく、なぜその方法が適切なのかを理解しているかが問われます。
1級は上級技能者向けで、合格率はおおよそ30パーセントから40パーセントです。現場の指導者レベルであることが前提とされ、実技試験は減点方式が採用され、時間管理や作業の細部まで厳しくチェックされます。1級に合格すると、現場責任者として清掃作業計画の策定や人員配置を担えるようになり、管理職としてのキャリアパスが開けます。
| 等級 | 合格率の目安 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 3級 | 60~70% | 入門レベル |
| 2級 | 50%前後 | 中級レベル |
| 1級 | 30~40% | 現場指導者レベル |
2016年からは基礎級も新設、試験はCBT方式
2016年4月からはビルクリーニング技能士の等級が細分化され、1級・2級・3級に加えて基礎1級・基礎2級という区分も設けられました。学科試験ではビルクリーニングの作業方法や建築物の構造、安全衛生や関連法規などが問われ、実技試験は等級ごとに内容が異なります。1級では弾性床表面洗浄作業、繊維系床部分洗浄作業、壁面洗浄作業、実技ペーパーテストが課され、2級では弾性床のスプレーバフ作業やトイレの定期清掃作業などが、3級ではドライバフ作業やガラス面洗浄作業などが実施されます。実技試験では普段の作業の進め方ではなく、決められた手順どおりに正確に行うことが求められます。全等級の学科試験および実技ペーパーテストは、パソコンを使ったCBT方式で実施されています。
受験資格は実務経験の積み上げ方が鍵
2級以上を受験するには、下位の等級の技能士資格を持っているか、一定の実務経験を積んでいる必要があります。1級については、2級取得から1年以上の実務経験、または資格の有無にかかわらず5年以上の実務経験がないと受験できません。ここでいう実務経験は正社員に限らずパートやアルバイトも対象で、おおむね週あたり24時間以上の勤務を目安に、勤務年数は通算できます。定年前の会社でビル清掃に近い業務に携わっていた経験や、定年後にパートとして清掃の仕事を始めてから積む経験も、受験資格を満たすルートになります。
受験料は2026年6月1日以降に実施された試験から変更となり、学科試験の受検手数料は1級が5000円、2級が4800円、3級が4000円になりました。これ以前の受験料は1級が3700円、2級が3500円、3級が3000円でした。実技試験の受検料は別途必要になるため、実際に受験する場合は全国ビルメンテナンス協会の公式サイトで最新の情報を確認することが望ましいです。
独学と職業訓練、二つの取得ルート
ビルクリーニング技能士を取得するルートは複数あります。ひとつは実務経験を積みながら独学や現場での指導を通じて知識と技術を身につけ、直接検定試験に挑戦する方法です。もうひとつは、職業訓練校や専門の訓練センターが提供する講座を活用する方法です。
受検要件の一つとして、ビルクリーニングに関する短期課程の普通職業訓練で総時間700時間以上のものを修了し、かつ1年以上の実務経験を有することという基準があります。こうした職業訓練を受けることで、実務未経験からでも比較的スムーズに知識を体系的に学べます。
取得を支援する機関としては、一般財団法人建築物管理訓練センターが知られています。同センターは東京都の職業訓練認定を受けた短期課程の1級技能士コースとして通信訓練を提供しており、添削指導と学科の集合講習を経て修了時試験を受け、成績優秀者は1級ビルクリーニング技能検定試験の学科試験が免除される制度もあります。受検準備講習会では、実技講習会で本番同様の演習を講師から直接指導してもらえるほか、学科講習会では教科書を使った座学形式で学べます。老後にゼロから資格取得を目指す場合、こうした講習会やコースを利用すれば、独学よりも効率よく、実技試験のポイントを押さえた学習が可能になります。
老後の需要はビルメンテナンス業界の人手不足が押し上げている
老後の資格取得で気になるのは、その資格や仕事に継続的な需要が見込めるかという点です。この点で、ビルクリーニング技能士が関わるビルメンテナンス業界にはいくつかの明確な特徴があります。
市場規模は安定して推移しており、2020年に4.25兆円だった規模は2021年に4.57兆円まで増加しました。オフィスビルだけでなく商業施設、宿泊施設、病院など、建物がある限りビルメンテナンスの需要が急激に縮小するとは考えにくく、建物は使用され続ける限り劣化していくため、定期的な点検や清掃、設備保全への需要は今後も一定の水準を保つか、拡大していくと見込まれています。
一方でこの業界は深刻な人手不足と高齢化を抱えています。労働集約型の産業である以上、清掃員や設備管理員の確保は年々難しくなり、従業員の平均年齢は上昇を続けています。業界の統計をまとめた「ビルメンテナンス情報年鑑2025」は、業界全体の約7割の企業が「若返りが図りにくい」と回答し、現場従業員の確保が難しいと感じている企業は9割近くにのぼると伝えています。年齢構成を見ると、警備業務に従事する人のうち60歳以上の割合は52.7パーセント、一般清掃業務に従事する人のうち60歳以上の割合は46.7パーセントに達しており、現場の主力がすでにシニア世代であることがうかがえます。
別の調査でも、ビルメンテナンス業務に従事する常勤従業員のうち60歳以上の割合が35パーセントに達しており、この業界が定年後の再就職先として一定の存在感を持っていることがわかります。仕事内容も建物内外の清掃だけでなく、空調や電気設備の管理、給排水などのインフラ点検や保守、建物の警備、受付といったサービス業務まで幅広く含まれており、未経験でも研修やサポート体制が整っている企業であれば挑戦しやすい環境が用意されています。
業界そのものが若い働き手を集めにくく、シニア世代が現場を支える構造になっているため、経験と資格を持つシニア人材は歓迎されやすい立場にあります。国家資格であるビルクリーニング技能士を持っていれば、単なる作業員ではなく現場作業管理者として採用される可能性が高まる点も、老後のキャリアとして注目される理由のひとつです。
業界側もこの人手不足を放置しているわけではなく、労働生産性を2029年度までに25パーセント向上させる目標を掲げ、デジタル化やロボット導入による業務効率化を進めています。清掃ロボットや管理システムの導入が進めば、体力的な負担が大きい単純作業の一部が省力化され、シニア世代がより長く現場に関わりやすくなる可能性もあります。
65歳以上の再雇用求人や定年なし求人が多数存在
実際の求人市場を見ても、ビルメンテナンス・ビル管理保守の分野では、65歳以上の再雇用を前提とした求人や、定年が65歳以上に設定された求人、定年そのものを設けていない求人が数多く掲載されています。求人サイトの分類には「再雇用が65歳以上」「定年が65歳以上」「定年なし」といったカテゴリーがそれぞれ用意されており、70代以上の人材が活躍している職場も紹介されています。ビルメンテナンスは体力的な負担が比較的少なく、定年後に長く働きたい人に向いた職種として位置づけられており、未経験からの転職も可能とされていますが、ビルクリーニング技能士のような資格を持っていれば、数多くのシニア求人の中でも選考上有利になりやすいというメリットがあります。
業界の人手不足の深刻さは、外国人労働者の受け入れ制度からも読み取れます。2019年に創設された在留資格「特定技能」には、ビルクリーニング分野も対象として組み込まれており、特定技能1号の在留資格を得た外国人は、最長5年間、要件を満たしたビルメンテナンス会社で清掃業務に従事できます。この制度において、特定技能1号はビルクリーニング3級技能士に相当する水準、特定技能2号はビルクリーニング1級技能士に相当し複数スタッフの指導や管理ができる水準として位置づけられています。国が定める外国人材受け入れの基準にビルクリーニング技能士の等級がそのまま技能の目安として採用されている事実は、この資格が業界の技能水準を測る公的なものさしとして扱われていることを示すとともに、日本人・外国人を問わず人材の確保が難しい業界であることを裏付けています。
清掃業界全体の人手不足は求人倍率の変化にも表れています。10年前と比較すると清掃業の賃金は4パーセント程度の上昇にとどまっている一方で、採用の難易度を示す求人倍率は0.88倍から1.47倍、さらに1.67倍にまで悪化しました。応募者に対して求人数が大きく上回る状態が続いています。清掃業務に「きつい・汚い・危険」といういわゆる3Kのイメージが根強く残っていることが応募率の低迷につながっているとされ、この構造的な人手不足はシニア世代にとって採用されやすい状況が続くことを意味します。
ビル清掃員の平均年収は230万円前後
収入面では、厚生労働省の統計などをもとにしたデータで、ビル清掃員の平均年収は230万円程度、月収にすると約18万円という水準が示されています。男女別では男性の平均年収が264万円、女性の平均年収が199万円というデータもあります。募集時の平均賃金(月給)は2021年度のデータで、一般清掃が約19万4000円、設備管理が約23万7000円、警備が約19万1000円でした。
ビルメンテナンス業界全体で見ると、全国平均年収は300万円程度とされ、清掃だけでなく設備管理や警備、フロント業務など職種によって給与水準に差があります。設備管理の分野は清掃業務に比べて給与水準がやや高めに設定される傾向があり、資格やスキルを身につけて設備管理側にキャリアを広げれば、収入アップを図ることも可能です。
より近年のデータでは、清掃スタッフの平均時給はアルバイトやパートで約1140円、派遣社員では1452円程度という調査結果があり、2025年11月時点での平均給与は時給1356円というデータも示されました。地域別の最低賃金は2025年度が全国平均で1121円となり、前年から66円、6パーセント台の上昇となりました。清掃業界の賃金水準は全体としてゆるやかに上昇しており、最低賃金の引き上げに伴って、パートやアルバイトとして働く場合の時給も改善が進んでいます。
| 区分 | 収入の目安 |
|---|---|
| ビル清掃員 平均年収 | 約230万円(月収約18万円) |
| 男性の平均年収 | 約264万円 |
| 女性の平均年収 | 約199万円 |
| ビルメンテナンス業界全体 平均年収 | 約300万円 |
| 一般清掃 募集時月給(2021年度) | 約19万4000円 |
| 設備管理 募集時月給(2021年度) | 約23万7000円 |
資格手当と現場責任者への昇格で収入アップも
ビルクリーニング技能士の資格を取得することで、収入面でも一定のメリットが期待できます。資格取得者は正社員として雇用されるケースが多く、資格手当などの各種手当を含めた月給制で働くことが大半とされています。企業によっては資格手当を用意しているところも多く、資格を持っていることでスキルをアピールでき、収入アップにつながる可能性があります。特に1級に合格すると現場責任者としての役割を担うことができ、清掃作業計画の策定や人員配置などのマネジメント業務にも関わるため、単純な作業員としての給与水準よりも高い待遇を得やすくなります。
社員として一定期間勤務し、技術と経験を積んだうえで独立開業するという道を選ぶ人も少なくありません。清掃業界は独立開業のハードルが比較的低い業種のひとつとされており、資格と実務経験を武器にして個人事業主として仕事を請け負ったり、フランチャイズに加盟して清掃事業を展開したりするケースもあります。定年後の第二のキャリアとして、雇用されるだけでなく自分で事業を営むという選択肢が用意されている点も、この資格の柔軟性を示しています。
1級取得は清掃作業監督者の要件にもつながる
ビルクリーニング技能士は単独でも評価される資格ですが、他の関連資格と組み合わせることでキャリアの幅をさらに広げられます。とくに1級ビルクリーニング技能士は、建築物衛生法に基づく事業登録に必要な人的要件のひとつである「清掃作業監督者」になるために必要とされる資格のひとつに位置づけられており、清掃業を営む会社にとって、この資格を持つ人材を確保することは事業運営上の要件を満たすことにも直結します。定年後であっても、この資格を持つ人材は組織にとって価値が高いと見なされやすいということです。
さらにキャリアを広げたい場合は、ビル管理士とも呼ばれる建築物環境衛生管理技術者や、第三種電気主任技術者、エネルギー管理士といった資格も視野に入ります。これらは「ビルメン三種の神器」と呼ばれるほど難易度が高く、取得している人材が少ないことから、職場で一目置かれる存在になれるとされています。ビル管理士の受験には環境衛生に関する業務経験が2年以上必要とされており、未経験からの応募は少ないため、実務経験を積んだうえでこの資格まで取得できれば、転職市場でも高いニーズを得やすくなります。老後のキャリア形成としては、まずビルクリーニング技能士で現場の技能を証明し、経験を積みながら管理系の資格に挑戦していくという段階的なステップアップも選択肢のひとつになります。
老後のキャリアとして向いている理由は年齢が不利に働きにくい点
ビルクリーニング技能士を老後の資格として捉えたとき、いくつかの利点が見えてきます。
まず、実務経験を積みながら段階的に取得できる資格であるため、年齢を理由に受験そのものを制限されにくい点です。3級から始めて経験を積み、2級、1級とステップアップしていく道筋が明確に用意されています。
次に、業界全体が深刻な人手不足に陥っているため、シニア世代であっても採用のハードルが比較的低く、経験や資格を持っていればむしろ歓迎される立場になりやすい点です。すでに60歳以上が現場の主力を担っている実態からも、年齢が不利に働きにくい業界であることがうかがえます。
資格を取得することで単純作業員から現場管理者へとキャリアアップできる可能性がある点も見逃せません。国家資格として客観的に技能が証明されるため、転職市場においても一定の評価を得やすく、資格手当による収入アップも期待できます。雇用されて働く以外に、独立開業という選択肢が用意されている点も、体力や状況に応じて働き方を調整しながら長く関わり続けられる魅力です。
業界の働き方そのものが定年後の体力に配慮したものになりやすい点も見逃せません。ビルメンテナンスの仕事は座り仕事と立ち仕事のバランスが比較的取れているため、無理なく働きやすい仕事です。残業が少なく年間休日が多い職場も多いとされ、体力に不安を抱えるシニア世代にとって働きやすい条件が整っている職場が少なくありません。
仕事の性質そのものがシニア世代に合いやすい面もあります。清掃の仕事は単独で作業を進める場面が多く、他の人と密に連携しながら進める必要性が比較的少ないため、人間関係によるストレスや衝突が起きにくいという特徴があります。日常生活の中で身についた掃除の習慣や経験がそのまま仕事の武器になりやすく、生活の延長線上で取り組みやすい仕事だといえます。清掃業で働き始めたことをきっかけに外出や人と会う機会が増え、社会参加や生きがいを再び感じられるようになったという声もあり、求人サイト上でもシニア歓迎の清掃関連の求人は28万件以上掲載されているとされ、選択肢の多さという点でも老後の仕事探しに向いた分野です。
体力面と収入水準は事前に見通しておく
一方で留意すべき点もあります。清掃業務は体を動かす作業が中心であり、需要が高くても体力的な負担がゼロになるわけではありません。平均年収自体は他業種と比べて高いとは言えず、年金と組み合わせた生活費の補填として捉えるか、資格を活かして管理職や独立開業を目指すかによって、収入のイメージは大きく変わります。資格取得までにも実務経験や講習の受講といった時間的な投資が必要になるため、老後のキャリアプランとして検討する場合は、いつからどのように経験を積み始めるかを早めに見通しておくことが望ましいでしょう。
応募時は資格取得への意欲を具体的に伝える
実際に老後の再就職先としてビルメンテナンス業界に応募する際は、資格をどう伝えるかも採用の結果を左右します。清掃業界の採用現場では、現場で黙々と作業をこなす人材は比較的集まりやすい一方で、組織を動かすリーダーや現場責任者になれる人材は不足しやすいとされています。志望動機や面接では、清掃作業がしたいという姿勢だけでなく、将来的に現場責任者やリーダーとして関わっていきたいという意欲、すでに取得している資格や、これから技能検定に挑戦したいという意欲を具体的に伝えることが、長期的に定着してくれる人材として評価されるポイントになります。ビルクリーニング技能士という国家資格をすでに持っている場合はもちろん、まだ取得していない場合でも、取得を目指して勉強していることを伝えれば、専門性を磨きたいという熱意の裏付けとして採用担当者に伝わりやすくなります。定年前の職歴や経験と結び付けて、丁寧に作業を続けられる姿勢や周囲と連携できる姿勢を合わせて伝えることも、清掃業界の採用で重視されるポイントです。
老後の資格としてビルクリーニング技能士を選ぶ判断基準
ビルクリーニング技能士は、ビル清掃という専門性を客観的に証明する国家資格です。3級から1級まで段階的にステップアップできる仕組みになっており、実務経験を積みながら取得を目指せるため、老後の再就職やキャリア形成に取り入れやすい資格だといえます。
需要の面では、ビルメンテナンス業界そのものが安定した市場規模を維持しつつも、深刻な人手不足と高齢化という課題を抱えており、すでに60歳以上の従業員が現場を支える中心的な存在になっています。この構造は、シニア世代が求められる側になれる可能性を示しており、経験や資格を持つ人材はむしろ歓迎されやすい環境が整っています。
収入の面では、ビル清掃員の平均年収はおおよそ230万円前後とされ、高収入とは言えないものの、資格手当や現場管理者としてのキャリアアップ、独立開業という選択肢まで含めて考えれば、年金収入に上乗せする安定した収入源として、あるいは第二の本格的なキャリアとして活用できる資格だといえます。定年後の働き方を考えるうえで、体力や生活スタイルに合わせて柔軟に選べる選択肢のひとつとして、ビルクリーニング技能士は検討する価値があります。







