ファイナンシャルプランナーを老後に取得し家計相談や副業に生かす方法

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ファイナンシャルプランナーとは、税金や保険、年金、不動産、資産運用、相続などお金にまつわる幅広い知識を使って、個人の人生設計を後押しする専門家のことです。この資格は老後に取得しても十分に生かせるもので、家計相談という形の相談業務や、副業としての収入源につなげている人が実際に存在します。「定年後に何か手に職をつけたい」「年金だけでは心もとないので、もう一つ収入の柱がほしい」という思いから、50代・60代になってから学び始める人も珍しくありません。お金の専門家と聞くと敷居が高く感じるかもしれませんが、資格の等級を選べば、未経験からでも段階的にステップアップできる仕組みになっています。この記事では、FP資格の基礎知識から、老後に取得するメリット、家計相談や副業としての始め方、収入の実態や注意点まで、実際の情報をもとに整理します。

目次

FP資格は国家資格の技能士と日本FP協会認定のAFP・CFPに分かれる

FP資格には大きく分けて二つの体系があります。一つは国家資格である「FP技能士」で、3級・2級・1級と等級が分かれています。もう一つは日本FP協会が認定する民間資格の「AFP」「CFP」で、AFPは2級FP技能士とほぼ同等のレベル、CFPは1級FP技能士と同等の、国際的にも認知されている上位資格です。

3級は入門レベルにあたり、自分や家族の家計管理、ライフプランニングの基礎知識を身につける位置づけになります。2級になると、住宅ローン、保険の見直し、教育資金、老後資金、相続・贈与など、実生活に直結する相談に対応できる知識水準です。1級・CFPはさらに専門性が高く、独立してプロとして相談業務を行う際の信頼性の裏付けになる資格といえます。

会社員として金融機関や保険会社、不動産会社に勤めている人がスキルアップのために取得するケースもあれば、まったくの未経験から個人の家計管理や将来設計のために学び始める人もいます。老後の学び直しであれば、まず3級から着手し、必要に応じて2級・AFPへと進む流れが現実的でしょう。

FP2級の学科合格率はFP協会で47.18%、きんざいで24.07%

FP技能検定の合格率や必要な学習時間は、級によって大きく異なります。直近のデータを見ると、3級はFP協会実施の学科試験で合格率86.60%、実技試験で84.88%です。きんざい実施では学科53.97%、実技53.70%となっており、しっかり対策すれば十分に合格が狙える水準です。

試験実施団体・級学科試験合格率実技試験合格率
FP協会 3級86.60%84.88%
きんざい 3級53.97%53.70%
FP協会 2級47.18%56.47%
きんざい 2級24.07%51.74%
1級7〜18%程度

2級になるとFP協会の学科試験で47.18%、実技試験で56.47%、きんざいでは学科24.07%、実技51.74%と、ぐっと難易度が上がります。1級はさらに厳しく、合格率は7〜18%程度で推移しており、国家資格の中でも難関の部類に入ります。

学習時間の目安は、3級であれば1日2時間の学習でおよそ50日程度、合計100時間ほどで合格を狙えるとされています。2級は150〜300時間程度が必要で、1日2時間のペースなら3〜5ヶ月ほどかかります。1級になると450〜600時間が目安となり、同じペースで6〜10ヶ月ほどの学習期間が必要です。老後の時間を活用してじっくり取り組むのであれば、まず3級から始めて2級を目指し、必要に応じて1級やCFPへとステップアップしていくのが現実的な進め方といえるでしょう。

なお、2級・3級試験は現在CBT方式が導入されていて、全国およそ360のテストセンターの中から希望の会場を選び、休止期間を除けば自分の都合の良い日程で受験できます。仕事や介護などと両立しながら勉強したい人にとっては、スケジュールを組みやすい点も利点です。

老後にFPを取得すると年金以外の収入源を確保できる

定年前後の世代がFP資格を取得することには、いくつかの具体的なメリットがあります。まず挙げられるのが、年金以外の収入源を確保できる可能性がある点です。年齢に関係なく働ける資格であり、体力的な負担が少ないデスクワーク中心の仕事のため、長く続けやすいという特徴があります。資格取得を通じて生活の安定につなげているシニア世代も少なくありません。

二つ目は、自分自身と家族の人生設計に直接役立つ点です。住宅の取得、保険の見直し、教育資金の準備、資産運用、老後資金の計画、相続対策など、誰もが向き合う可能性のあるお金の課題について、専門的な知識をもって自分自身で判断できるようになります。これは金銭的な利益だけでなく、老後の安心感という意味でも大きな価値があるでしょう。

三つ目は、資格そのものの信頼性です。FP技能士は国家資格であり、独立や副業を行う際にも一定の説得力を持ちます。名刺に資格名を記載できることは、初対面の相談者に安心感を与える材料になります。

さらに、40代・50代から未経験でFP資格を取得し、住宅資金相談などの分野に特化した独立系FPとして開業した事例も存在します。「とりあえずできることから始めて、分からないことはその都度解決していけばいい」という姿勢で踏み出した結果、開業にこぎつけたという声もあり、年齢を理由に諦める必要はないことがうかがえます。

家計相談は自宅からオンラインで始められる仕事

FPの仕事の中でも、老後の副業として特に取り組みやすいのが家計相談です。依頼者の収入・支出・資産・負債の状況をヒアリングし、赤字家計の改善策、保険の見直し、教育費の準備方法、住宅ローンの見直し、老後資金の準備計画などについて、専門家の立場からアドバイスを行う仕事になります。

家計相談の魅力は、特別な設備や店舗を必要とせず、対面でもオンラインでも実施できる点にあります。近年はオンライン相談の環境も整っていて、自宅から全国の相談者に対応することも可能です。まずは身近な人の相談に乗るところから始め、実績を積みながら、口コミや紹介で徐々に相談者を増やしていくのが一般的な流れといえます。

スキルシェアサービスなどのプラットフォームを活用し、家計診断やライフプラン表の作成といった単発の仕事を請け負うところから経験を積む方法もあります。こうしたサービスでは実績や評価が可視化されるため、未経験から少しずつ信頼を積み上げやすいという利点があるでしょう。

副業としてのFPはコンサルティングから執筆まで幅広い

FP資格を生かした副業には、家計相談以外にもいくつかの種類があります。個人向けのコンサルティング(家計相談・ライフプラン相談)、セミナー講師、執筆・記事作成、金融機関や保険会社の代理店業務のサポートなどが代表的です。

副業を始める際にまず確認すべきなのが、現在勤めている会社が副業を認めているかどうかという点です。就業規則によっては副業が禁止されている、あるいは事前の届け出が必要な場合があるため、トラブルを避けるためにも必ず事前に確認しておく必要があります。

FP資格だけですべての業務ができるわけではない点にも注意が必要です。個別銘柄の売買タイミングに踏み込むような投資助言、保険商品の募集・勧誘・契約の取次、住宅ローンの媒介といった業務は、原則として別途、法令上の登録や資格(投資助言・代理業の登録、保険募集人資格など)が必要になります。FPとして提供できるのはあくまで一般的な情報提供やライフプランの助言までで、この線引きを理解しておくことが、後々のトラブルを防ぐうえで重要です。

資格のレベルについては、FP3級だけでも副業を始めること自体は可能とされています。ただし案件の獲得や単価の面では、FP2級やAFP、さらにはFP1級やCFPといった上位資格を持つ人と比較されると不利になりやすいのが実情です。長く副業を続け、より高単価の仕事につなげたいのであれば、3級で満足せず、2級・AFP以上を目指す価値は十分にあるといえます。

独立系FPの相談料は1時間5,000円から16,500円が相場

副業や独立でFPとして家計相談を行う場合、気になるのが料金設定です。独立系FPによる単発相談の相場は、1時間あたりおおよそ5,000円から16,500円(税込)程度とされ、市場に出回っている相談料の約半数は5,000円から10,000円の価格帯に集中しています。より広い目安としては、1時間あたり5,000円から20,000円程度という声もあります。

料金体系は相談形態によってさまざまで、単発の時間制のほか、月額・年間の定額制や顧問契約、ライフプラン提案書の作成や家計診断など個別のサービスごとに別料金を設定しているケースもあります。独立系FPの多くは、特定の金融機関に属さない中立的な立場からのアドバイスを強みとしていて、初回相談を無料にすることで相性を確認してもらいやすくしている事務所も多く見られます。

副業として始める場合、いきなり高額な料金設定をするのではなく、まずは実績作りを兼ねて低めの価格帯、あるいは無料相談からスタートし、経験と信頼を積み重ねながら徐々に適正な料金へ引き上げていくのが現実的なステップになるでしょう。

AFP・CFP認定者のうちFP事務所所属はわずか7%

「FPとして独立すれば大きく稼げるのでは」という期待を持つ人もいますが、実態としては簡単な道のりではありません。AFP・CFP認定者のうち、FP事務所や士業事務所に所属している人の割合は7%にとどまっていて、独立系FPとして活動している人自体がかなり少数派であることが分かります。

独立開業を軌道に乗せるためには、高い専門知識に加えて顧客対応力が求められます。顧客のニーズを的確に理解し、それに合ったサービスを提供する姿勢、常に新しい知識やスキルを学び続ける姿勢、そして積極的に顧客とコミュニケーションを取り続ける姿勢が重要とされています。特に住宅資金相談や保険の見直しなど、特定の分野に強みを絞って専門性を打ち出すことで、他の相談者と差別化を図っている独立系FPの事例も見られます。

老後にFPとして活動する場合、いきなり専業での独立を目指すのではなく、副業として小さく始め、相談実績と評判を積み上げながら、必要に応じて活動の規模を広げていくという段階的なアプローチが現実的といえるでしょう。

AFP資格の維持費は年12,000円、CFPは年20,000円

FP3級・2級・1級は一度取得すれば更新の必要がない国家資格ですが、日本FP協会が認定するAFP・CFPには、資格を維持するための継続教育と年会費の仕組みがあります。

AFP資格を維持するためには、入会金として初年度のみ10,000円、そのうえで毎年12,000円の年会費が発生します。CFP資格の場合は、CFPの新規登録料として登録時の初年度のみ5,000円、そして毎年、年会費12,000円とCFP会費8,000円を合わせた20,000円が発生します。

資格初年度費用毎年の費用
AFP入会金10,000円年会費12,000円
CFP新規登録料5,000円年会費12,000円とCFP会費8,000円の合計20,000円

さらにCFP認定者は、2年ごとに所定の継続教育単位を取得し、資格更新の手続きを行うことが義務付けられています。継続教育単位の取得にあたっては、セミナーの受講料やテストの受講料などの費用が別途発生する場合もあります。副業や独立を検討する際には、こうした資格維持のランニングコストも踏まえたうえで、上位資格を目指すかどうかを判断するとよいでしょう。

FP3級は独学でも80〜150時間で合格圏内

老後にFP資格の勉強を始める場合、多くの人が独学での合格を目指します。FP3級は独学でも十分合格可能な難易度で、必要な勉強時間はおよそ80〜150時間が目安です。FP2級についても、正しい勉強法で計画的に取り組めば、独学での合格は現実的な目標といえます。

独学で使うテキストを選ぶ際のポイントは、必ず最新年度に対応したものを選ぶこと、そして自分の学習スタイルに合ったものを選ぶことです。税制や各種制度は毎年見直されるため、古いテキストで学習すると、実際の試験内容や実務の相談内容とずれが生じてしまう可能性があります。イラストや図解が多く読み物として親しみやすいテキスト、短期間での合格に的を絞ったテキスト、動画講義と連携したテキストなど、複数のタイプが市販されているので、書店で実際に手に取って比較してみるとよいでしょう。特にYouTubeなどの無料の動画講義と連携しているテキストは、独学特有の「分からないところで止まってしまう」という壁を乗り越えやすく、老後に一人で学習を進める際の心強い味方になります。

副業の所得が20万円を超えたら確定申告が必要になる

FP資格を生かして家計相談などの副業を始め、実際に報酬を得るようになった場合、税務上の手続きについても理解しておく必要があります。

会社員として働きながら副業を行う場合でも、開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出すれば個人事業主として活動できます。開業届を提出していないからといって直ちに違法になるわけではなく、罰則もありませんが、開業届を出していないと青色申告ができず、事業としての実態を証明しにくいため、金融機関からの融資などで不利になる場合があります。開業届は、事業を開始してから1カ月以内に、所轄の税務署に提出するのが基本です。

確定申告については、副業による所得が年間20万円以下であれば、原則として確定申告は不要とされています。ただし医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例が使えないケースなど)で確定申告を行う場合は、20万円以下であっても副業の収入を含めて申告する必要がある点に注意が必要です。

開業届を提出し、青色申告を選択すると、最大65万円の青色申告特別控除をはじめとする税制上のメリットを受けられるようになります。老後の家計相談・副業を、単なるお小遣い稼ぎで終わらせず、きちんとした事業として育てていきたいのであれば、早い段階で開業届の提出と青色申告について検討しておくとよいでしょう。

家計相談では新NISAとiDeCoの使い分けを聞かれる

老後の家計相談を行ううえで、避けて通れないのが新NISAやiDeCoといった資産形成制度への理解です。相談者の多くは、老後資金づくりの手段として新NISAとiDeCoのどちらを優先すべきか、どのような配分で積み立てるべきかといった悩みを抱えています。新NISAとiDeCoの使い分けは、各家庭の収入や税率、勤務先の企業年金の有無によって最適な結論が変わるため、画一的な答えを提示するのではなく、一人ひとりの状況に応じたシミュレーションを行う力が求められます。

iDeCoについては制度改正が続いている点にも注意が必要です。加入可能年齢の引き上げや、受け取り時における退職所得控除の適用方法の見直しなど、直近でも重要な制度変更が行われています。こうした改正内容は相談者の受け取り時期の判断に直結するため、FPとして家計相談を行う立場であれば、日々の情報収集を怠らず、常に最新の制度知識をアップデートしておくことが欠かせません。老後資金という相談者にとって非常にセンシティブなテーマを扱うからこそ、正確で最新の情報に基づいたアドバイスが、信頼を積み重ねるうえで何より重要になります。

セミナー講師や執筆で複数の収入源を組み合わせる

家計相談以外にも、FP資格を生かした副業としてセミナー講師や執筆業務があります。セミナー講師の案件は、クラウドソーシングサイトに登録し、プロフィール上で自身の経験や実績をアピールしながら、まずは受注実績を積み重ねていくのが一般的な入り口です。ある程度の実績が伴えば、通信講座を運営する企業でのFP資格取得講座の指導講師や、スキルシェア系のオンラインプラットフォームを通じた講座運営など、活動の幅を広げていくことができます。

シニア世代に向けた情報発信という切り口も、老後にFP資格を生かす副業としては相性の良い分野です。年金を専門テーマにした講演や、年代別に関心事を絞ったセミナーなどは、同世代ならではの共感を得やすく、需要のある企画として好評を得ているケースもあります。

執筆業務については、FP資格を保有していること自体が情報の信頼性を裏付ける材料となり、発注者から選ばれやすくなるという利点があります。文字単価や執筆本数次第では、副業の域を超えてまとまった収入源に育てていくことも可能とされています。家計相談だけにこだわらず、セミナー講師や執筆といった複数の収入源を組み合わせていくことで、老後の働き方としての安定感を高めていくことができるでしょう。

老後にFPを家計相談や副業へつなげる現実的な順番

これまでの情報を踏まえると、老後にFP資格を取得し、家計相談や副業に生かしていくための現実的な流れは、次のように整理できます。

まずFP3級から学習を始め、お金に関する基礎知識を体系的に身につけます。3級は約100時間の学習で合格が狙える水準で、老後の生活リズムの中でも無理なく取り組みやすい難易度です。

次に、実際に家計相談や副業を視野に入れるのであれば、2級・AFPの取得を目指します。2級・AFPレベルの知識があれば、住宅ローン、保険の見直し、教育資金、老後資金の準備、相続・贈与といった、実生活に直結する相談に対応できるようになります。

勉強を始める前に、なぜFP資格を取得したいのか、家計相談を目指すのか、セミナー講師や執筆を目指すのか、あるいは転職・再就職を見据えているのかといった目的をあらかじめ整理しておくことも大切です。目的が明確であれば、どの級までを目指すべきか、AFP・CFPまで取得する必要があるかといった判断もぶれにくくなり、学習のモチベーションも維持しやすくなります。

資格取得と並行して、まずは身近な家族や友人の家計相談に乗ることから実績を積み始めます。実際に相談に応じる経験を重ねることで、教科書だけでは身につかない実践的な対応力が養われるでしょう。

その後、スキルシェアサービスやオンライン相談の仕組みを活用し、少額から有料相談を受け付け始めます。会社員として働いている場合は、必ず勤務先の副業規定を確認したうえで進める必要があります。

投資助言や保険の募集・勧誘、住宅ローンの媒介など、法令上の登録が必要な業務には踏み込まず、あくまで一般的な情報提供とライフプランの助言に徹することで、トラブルを避けながら活動を継続できます。

相談実績と評判が積み上がってきたら、必要に応じてCFPなど上位資格の取得を検討し、相談料の見直しや専門分野の確立を進めていきます。特定の分野(住宅資金、保険の見直し、老後資金設計など)に強みを絞ることで、他の相談者との差別化を図りやすくなるはずです。

FP資格を武器に金融や保険、不動産へ転職する道もある

副業や独立だけでなく、FP資格を生かして転職・再就職という形で老後の働き方を考える道もあります。FPは高齢化社会の中で老後の不安を抱える人にアドバイスを行える存在として、セカンドキャリアの選択肢の一つに数えられています。主な転職先としては、銀行・保険・証券といった金融系の企業、保険業界の営業職やコンサルティング職、不動産業界の営業・コンサルタント系の職種などが挙げられ、FP資格を持っていることで採用時に歓迎されるケースが多く見られます。

雇用形態についても、正社員だけでなく、派遣、パート、アルバイト、嘱託、契約社員など幅広い選択肢の求人が存在していて、定年退職後の再就職や、体力・時間に合わせた働き方を選びたいシニア世代にとっても取り組みやすい分野といえます。FP資格の取得を目指す人自体が、10代・20代の若い世代だけでなく、40代・50代以上の社会経験が豊富な世代にも広がっているというデータもあり、年齢を理由にFPという分野への挑戦をためらう必要はないことがうかがえます。

家計相談でよくある落とし穴は手数料目的の提案

自分がFPとして家計相談を行う場合はもちろん、老後に自分自身が別のFPに相談する場合にも、いくつかの注意点を知っておくことは有益です。FP相談そのものが危険というわけではありませんが、注意点を押さえずに相談してしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。

よくある落とし穴としては、特定の金融商品の販売手数料が目的となってしまい、中立的な提案がされにくくなるケース、FPごとの知識や経験に偏りがあり、期待していたアドバイスが得られないケース、そして料金体系が不透明で、想定していなかった費用を請求されてしまうケースなどが挙げられます。信頼できるFPであれば、契約を急がせることはせず、依頼者がじっくりと比較・検討できる時間を与えてくれるのが基本です。

自分が相談を受ける立場としてFP業務を行う際にも、この点は強く意識しておく必要があります。相談者に契約や商品購入を急がせない、料金が発生するタイミングと金額を事前に明確に伝える、自分の知識や経験で対応しきれない分野については無理に助言せず、必要であれば専門家につなぐ、といった姿勢を徹底することが、長期的な信頼につながります。相談を受ける前に相談内容をあらかじめ整理してもらうことで、より具体的で的確なアドバイスがしやすくなり、相談の満足度も高まるでしょう。CFPやAFPといった資格は定期的な更新(継続教育)が義務付けられているため、資格を保有し続けていること自体が、常に最新の知識をアップデートしている証にもなります。

日本FP協会の相談事例集に見る相談の中身

日本FP協会では「みんなのFP相談事例集」として、実際の相談事例を公開しています。そこで紹介されている相談内容を見ると、家計管理、保険の見直し、住宅ローン、資産運用など、幅広いテーマにわたっていることが分かります。相談のきっかけとしては、保険料控除の枠が余っていたので保険を見直したい、相続税対策として保険を活用したい、資産の長期的な運用について考えたい、といった具体的な動機が挙げられています。

これから家計相談を副業として行おうとする人にとって、こうした実際の相談事例は非常に参考になります。相談者がどのようなきっかけで、どのような悩みを持って相談に訪れるのかを事前にイメージしておくことで、自分がどの分野の知識を重点的に強化すべきかが見えてきます。保険の見直し相談が多いのであれば保険商品や税制の知識を、住宅ローン相談が多いのであれば返済プランやローンの借り換えに関する知識を、というように、自分が力を入れる専門分野を意識的に選んでいくとよいでしょう。

まとめ:老後のFP資格は段階を踏めば家計相談や副業に生かせる

ファイナンシャルプランナーは、老後の学び直しや副業の選択肢として、十分に検討する価値のある資格です。3級であれば約100時間の学習で合格を狙える手軽さがありながら、身につく知識は住宅や保険、教育資金、老後資金、相続など、自分自身の人生設計にも直結する内容になっています。

家計相談という仕事は、特別な設備を必要とせず、対面・オンラインいずれでも始められるため、老後の副業として取り組みやすい分野といえます。ただし独立系FPとして本格的に稼げるようになるまでの道のりは決して平坦ではなく、AFP・CFP認定者のうちFP事務所等に所属する人の割合はわずか7%というデータからも、その難しさがうかがえます。投資助言や保険募集など、FP資格だけではカバーできない法令上の制約があることも忘れてはいけません。

大切なのは、いきなり大きな成功を狙うのではなく、3級からの学び直し、身近な人への家計相談、オンラインでの小さな実績作りといった、段階を踏んだ取り組み方です。年齢に関係なく続けられる仕事だからこそ、老後の時間を使って着実にステップを積み重ねていくことが、家計相談や副業としてのファイナンシャルプランナー活動を成功させる近道になるでしょう。

老後の生活には、年金だけでは埋めきれない不安や、これまでの人生では向き合ってこなかったお金の課題が数多く出てきます。FP資格の学習を通じてそうした課題への理解を深めることは、副業や独立といった収入面のメリットだけでなく、自分自身と家族の老後を、より納得のいく形で設計していく力にもなるはずです。焦らず、無理のないペースで一歩ずつ学びを進めていくことが、結果として長く続けられる家計相談や副業としてのファイナンシャルプランナー活動につながっていくでしょう。

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