老後の資格としてキャリアコンサルタントを選ぶ人が増えている理由は、終身雇用の崩壊と高年齢者雇用安定法の改正が同時期に重なり、定年後も働き続ける人への相談ニーズが急速に膨らんでいるためです。厚生労働省の集計によると、キャリアコンサルタントの登録者数は2024年9月末時点の76,466人から2025年9月末にはおよそ85,000人まで増えました。登録者の年齢層は50代が最も多く、60代がこれに続いています。定年後の再就職やセカンドキャリアとしての独立開業を見据え、50代・60代からこの資格に挑戦する人が着実に増えているのです。ここでは、需要増加を支える社会的背景や制度の変化、資格取得にかかる費用や収入の実態を、具体的な数字とともに整理します。

キャリアコンサルタント登録者数は2025年9月時点でおよそ85,000人
キャリアコンサルタントとは、労働者の職業選択や職業能力の開発・向上に関する相談に応じ、助言や指導を行う国家資格です。2016年に施行された改正職業能力開発促進法に基づき創設されました。厚生労働省はこの資格の活用を国の政策として推進しており、2024年までに全国で10万人のキャリアコンサルタントを養成するという目標を掲げていました。
国家資格キャリアコンサルタント登録センターの公表データによれば、令和6年(2024年)9月末時点の登録者数は76,466人でした。令和7年(2025年)6月末時点では82,527人まで増え、同年9月末時点ではおよそ85,000人に達しています。10万人という目標にはまだ届いていませんが、2017年3月から2021年9月までの4年間だけでおよそ3万5,000人増加しており、単純計算で年間9,000人前後のペースで登録者が増え続けてきた計算になります。国家資格が創設されてから10年に満たない期間でここまで急速に登録者数を伸ばした資格は珍しく、社会的なニーズの高さを裏づけていると言えるでしょう。資格を取得しても現場で活動していない、いわゆるペーパー資格者を心配する声もありますが、登録者のうち約7割が実際にキャリアコンサルティング業務に従事しているというデータもあり、資格が名目だけに終わっていない実態がうかがえます。
終身雇用の崩壊で転職相談を専門家に委ねる人が増えた
かつての日本企業では、一度就職すれば定年まで同じ会社に勤め上げることが当たり前とされてきました。しかし現在、終身雇用の維持を明言する経営者は減り、労働者自身も転職を当然の選択肢として捉えるようになっています。転職回数が増えるということは、個人が自分のキャリアを主体的に設計し直す機会が増えたことを意味し、その都度、専門家への相談が必要になります。従来は人事部任せ、あるいは自己判断で行われてきたキャリア選択を、専門知識を持つキャリアコンサルタントに委ねる場面が着実に増えているのです。
テレワークや週休3日制度の広がりが働き方の相談需要を生んだ
働き方そのものの多様化も、需要拡大を後押ししています。テレワークの普及、選択的週休3日制度の導入、副業や兼業の解禁など、働き方の選択肢はここ数年で急速に広がりました。選択肢が増えた分、労働者自身がどの働き方を選ぶべきか迷うケースも増えています。自分の価値観やライフステージに合った働き方を選ぶための伴走者として、キャリアコンサルタントの役割は拡大しました。結婚や出産を経ても働き続けたい女性、定年後も社会と関わりながら働きたいシニア層など、立場の異なる人たちがそれぞれのニーズに応じたキャリア相談を求めるようになっています。
セルフキャリアドックの導入で社内相談体制の整備が進む
企業内でのキャリア支援体制の強化も見逃せません。厚生労働省は、企業が従業員のキャリア形成を支援する仕組みとして「セルフ・キャリアドック」の導入を推進しており、労働政策研究・研修機構(JILPT)による調査でも、企業におけるキャリア支援の現状と課題が継続的に検証されています。国はキャリアコンサルティングを行う企業に助成金を支給するなど、制度面からも活用を後押ししてきました。人材の定着や生産性向上を経営課題として捉える企業が増えるなか、社内にキャリアコンサルタントを配置し、従業員一人ひとりの意欲や適性に応じたキャリア形成を支援する取り組みは、今後も広がっていくと見られます。
女性の育休復職支援でキャリアコンサルタントとの面談機会が増加
結婚、出産、育児、介護といったライフイベントは、依然として女性のキャリアに大きな影響を及ぼしています。育児休業からの復職時にキャリアが途切れてしまう、あるいは希望する働き方に戻れないといった課題は根強く残っています。厚生労働省が実施してきた調査研究では、若者・女性・中高年といった労働者の属性ごとに異なるキャリア形成上の課題に応じたキャリアコンサルティング技法の開発が進められており、なかでも女性については出産や育児と仕事の両立に困難を抱えるケースへの対応が重点課題とされてきました。
企業側の取り組みとしても、育児休業からの復職支援を強化し、キャリアが途切れない仕組みをつくることが女性活躍推進の重要な柱とされています。復職後の一定期間、育児と仕事の両立経験を持つ管理職との対話の場を設けたり、キャリアコンサルタントとの面談機会を提供したりする企業が増えました。こうした取り組みは女性に限らず、育児や介護と仕事を両立させる男性社員にも共通するテーマになっており、性別を問わずライフイベントに応じた柔軟なキャリア形成を支援する体制づくりは、多くの企業にとって重要な経営課題になっています。
政府は令和7年度予算で41億円をキャリアコンサルタントの機能強化に計上
キャリアコンサルタントの需要拡大は、個人や企業の自発的な取り組みだけでなく、政府の予算措置や助成金制度によっても後押しされています。政府は令和7年度予算で、キャリアコンサルタントの機能強化などにおよそ41億円を計上し、労働者のキャリア形成やリスキリングを促す相談支援事業の拡充に充てました。
企業向けの代表的な支援策としては、厚生労働省が運営する人材開発支援助成金があります。事業主が雇用する労働者に対し、職務に関連する専門的な知識・技能を習得させるための職業訓練などを計画的に実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。セルフ・キャリアドック制度の導入や、社内でのキャリアコンサルティングの実施にかかる費用負担を軽減する目的でも活用されており、企業が自社内にキャリアコンサルタントを配置する際の後押しになっています。
個人が資格を取得する場面でも、政府の支援制度は重要な役割を果たしています。専門実践教育訓練給付金を利用する際には、訓練前に専門の研修を受けたキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングを受けることが要件になっており、制度の入り口そのものにキャリアコンサルタントの関与が組み込まれています。企業のキャリア支援体制の整備から個人の学び直しの入り口まで、政策全体を通じて活用が制度的に組み込まれている点は、この資格の需要が一過性のものではなく、政策的な裏付けを持って中長期的に拡大していく性質のものであることを表しています。
70歳就業確保の努力義務化で定年後の働き方相談が急増
キャリアコンサルタントの需要増加を語るうえで欠かせないのが、高年齢者雇用安定法の改正です。2021年4月に施行された改正法により、企業には70歳までの就業機会確保が努力義務として課されました。具体的には、70歳までの定年引き上げ、定年制の廃止、70歳までの継続雇用制度の導入、70歳まで業務委託契約を継続的に締結できる制度の導入、70歳まで社会貢献事業に従事できる制度の導入のいずれかの措置を講じるよう企業に求めています。
さらに2025年4月からは、経過措置として認められてきた労使協定による対象者基準の適用が撤廃され、希望者全員に対して65歳までの雇用確保措置を講じることが完全義務化されました。あわせて2025年4月以降に60歳になった人については、高年齢雇用継続給付の支給率が縮小される制度変更も行われています。
こうした制度改正は、企業に高齢の従業員の就業機会を確保するよう促すものであると同時に、定年後も働き続けたいと考える人が増えている実態を反映したものでもあります。再雇用か、業務委託か、あるいは全く異なる分野への転身か。こうした選択に直面する高齢労働者が急増するなか、専門的な立場から助言できるキャリアコンサルタントへのニーズは、制度面からも拡大しています。企業側にとっても、高齢従業員のモチベーション維持やミスマッチの防止のために、キャリアコンサルタントの知見を借りる場面が増えているのが実情です。
人生100年時代のリスキリングとシニアの就業意欲
平均寿命の延伸により「人生100年時代」という言葉が定着したことも、需要増加を後押しする要因です。仕事人生が50年近くに及ぶとすれば、一つのスキルや職業だけで働き続けることは現実的に難しくなります。技術革新のスピードが速まるなか、これまでのキャリアで培ったスキルだけでは通用しなくなる場面が増え、新たな知識や技能を学び直す「リスキリング」の必要性が広く認識されるようになりました。
高齢者自身の就業意欲の高まりも見逃せません。少子化による労働力人口の減少とあわせて、定年延長や定年制廃止を進める企業が増えるなか、経済的な事情だけでなく、社会とのつながりや生きがいを求めて働き続けたいと考えるシニア層も少なくないのです。ただし、学び直しや就業継続の意欲を持つ人が増える一方で、実際に自己啓発の取り組みが処遇に反映される企業は5割程度にとどまるという調査結果もあり、個人の意欲と企業側の評価制度との間にはまだ差があります。この差を埋め、個人が自分の強みや適性を客観的に把握し、それを企業や社会にどう発信していくかを一緒に考える存在として、キャリアコンサルタントの重要性は増しています。
老後の資格にキャリアコンサルタントが向くのは経験がそのまま武器になるから
社会的・制度的な背景に加え、キャリアコンサルタントという資格そのものが老後のセカンドキャリアと相性が良いという側面もあります。これまでの社会人経験がそのまま強みになる資格であるという点は大きいでしょう。長年にわたって様々な部署や業種で働いてきた経験、転職や異動、部下の育成、組織内での人間関係の調整といった経験は、若い世代にはない厚みのある知見になります。相談者に寄り添い的確な助言を行ううえで、こうした実務経験や人生経験は何よりの武器です。登録者の年齢構成で50代が最多、60代がそれに続くという実態は、この資格が長年の社会経験を土台にしてこそ力を発揮しやすい仕事であることを裏づけています。
体力を使わず働き方も選べる点がシニア層に合う
体力的な負担が少なく長く続けやすい点も、老後の仕事として適している理由の一つです。相談業務は基本的に対話が中心であり、肉体労働のような体力の消耗は少なめです。年齢を重ねても自分のペースで働き続けやすく、無理なく収入を得る手段として選ばれやすくなっています。
働き方の自由度が高いことも魅力です。企業に再雇用される形で人事部やハローワークなどの相談窓口で働く道のほか、独立して個人事務所を構える道、オンライン相談を中心に活動する道など、多様な働き方を選べます。フルタイム勤務が難しくなった年代でも、週に数日、あるいは空いた時間に相談業務を行うといった柔軟な働き方が可能で、体力や生活スタイルに合わせて仕事量を調整しやすくなっています。
国家資格としての信頼性が老後の再挑戦を後押しする
資格自体が国家資格として法的な裏付けを持つため、対外的な信用を得やすい点も見逃せません。民間資格とは異なり、国が定めた要件を満たして初めて名乗れる資格であるため、企業や自治体の相談窓口業務を受託する際にも一定の信頼性を担保できます。定年後に新しい分野へ挑戦するにあたって、こうした公的な裏付けのある資格を持っていることは大きな安心材料になります。
資格取得には150時間の講習と38,800円の受験料が必要
キャリアコンサルタントの資格を取得するには、いくつかのルートが用意されています。代表的なのは、厚生労働大臣が認定する養成講習の課程を修了するルートです。このほか、キャリア相談に関連する業務に3年以上従事した実務経験を持つ人、技能検定キャリアコンサルティング職種の試験に合格した人、これらと同等以上の能力を有すると認められる人にも受験資格が認められています。実務未経験でも養成講習を修了すれば受験資格を得られるため、老後にゼロから挑戦する人にも門戸は開かれています。
養成講習の総時間数はおよそ150時間から190時間程度で、期間は3か月から5か月程度に設定されているものが多くなっています。多くの講習は、働きながらでも通いやすいよう平日の夜間や土日にカリキュラムが組まれており、社会人や退職前後の年代でも無理なく学べる設計です。
費用の内訳は次の表のとおりです。
| 項目 | 目安の金額 |
|---|---|
| 養成講習の受講費用 | 25万円から50万円程度 |
| 国家試験の受験料 | 38,800円 |
| 資格登録費用 | 17,000円 |
| 資格更新費用(5年ごと) | 12万円から13万円程度 |
決して安い金額ではありませんが、多くの養成講習は国の専門実践教育訓練給付金制度の対象講座に指定されており、この制度を利用すれば講習修了時に受講費用の50%、資格取得後にはさらに20%が追加で支給されます。実質的な自己負担を大きく抑えられる点は、資格取得を検討するうえで重要なポイントです。
学科試験の合格率は60%前後で挑戦しやすい水準
試験内容は、学科試験と実技試験の二本立てです。学科試験は四肢択一式のマークシート形式で50問が出題され、実技試験は論述試験と面接試験(ロールプレイおよび口頭試問)で構成されています。合格率は、学科試験がおよそ60%から70%、実技試験がおよそ60%から75%、学科・実技を同時に受験した場合でおよそ50%から60%程度で推移しており、他の難関国家資格と比較すると挑戦しやすい水準にあります。とはいえ、面接によるロールプレイでは実践的なコミュニケーション力が問われるため、養成講習で学んだ相談技法を身につけておくことが合格への近道になります。
資格取得後の年収は300万円から500万円が中心でフリーランスは二極化
資格取得後の活躍の場は幅広く、ハローワークや地域の職業訓練校、大学のキャリアセンター、民間の人材紹介・派遣会社など、公的機関から民間企業まで多様な就業先があります。前述のとおり、企業内でセルフ・キャリアドックを実施するために自社の従業員のキャリア相談を担う社内キャリアコンサルタントとしての需要も高まっており、人事部門と連携しながら従業員のキャリア形成を支援する仕事も増えています。
老後の働き方としては、組織に所属する形だけでなく独立開業という選択肢も現実的です。自宅の一室やレンタルオフィスを相談スペースにして、対面あるいはオンラインで個別相談を請け負う形であれば、体力や生活スタイルに合わせて無理のない範囲で仕事を続けられます。
年収の実態を見ると、勤務先の組織規模や地域、個人のスキル、フリーランスの場合はクライアント数や契約条件によって大きく左右され、200万円台から1000万円を超える層まで幅広く分布しています。
| 働き方 | 年収の傾向 |
|---|---|
| 組織に勤務する場合 | 300万円から500万円程度に集中 |
| フリーランス・個人事業主の場合 | 200万円台から300万円台の層と、700万円以上から1000万円超の層に二極化 |
相談業務のみで独立開業を目指す場合、1回あたりの相談料が数千円程度にとどまることも多く、それだけで生計を立てるのは容易ではありません。そのため独立を志す場合には、社会保険労務士など親和性の高い他資格と組み合わせてサービスの幅を広げ、企業からの研修受託やセルフ・キャリアドックの運用支援といった法人向けの仕事を組み合わせることで、差別化と収入の安定を図るケースが多くなっています。老後にキャリアコンサルタント一本で高収入を得ることを期待するのではなく、年金収入や退職金といった他の収入源と組み合わせながら、無理のない範囲で社会と関わり続ける手段として捉えるのが現実的な向き合い方だと言えます。
シニア人材紹介サービスの拡大が活躍の場を広げる
シニア層の専門性を生かした人材紹介サービスも拡大しており、税理士や調理師、薬剤師といった専門資格を持つシニア人材を企業とマッチングする専門特化型の人材紹介会社も登場しています。こうした市場の広がりは、シニア人材そのものへの企業側のニーズが高まっていることの表れです。シニア世代の再就職やセカンドキャリアを支援するキャリアコンサルタントの活躍の場は、今後も広がっていくと考えられます。
キャリアコンサルティング経験者の6割が変化を実感
キャリアコンサルタントの需要増加を考えるうえで、実際に相談を受けた人がどう評価しているかというデータも重要な手がかりになります。労働政策研究・研修機構(JILPT)が2025年3月に公表した労働政策研究報告書No.233「キャリアコンサルティングの有用度及びニーズに関する調査」によれば、キャリアコンサルティングを経験したことがある人のうち、約6割が自身のキャリアや職業生活に何らかの変化があったと回答しています。具体的な変化としては「将来のことがはっきりした」「就職できた」「仕事を変わった」といった声が多く、相談が役立ったと回答した割合、そして今後も相談を受けたいと回答した割合は、いずれも5割前後に達しています。
一方で、同じ調査はキャリアコンサルティングを経験したことがない人の間では、相談を受けたいと考える割合がそれほど高くないという課題も示しています。その背景として挙げられているのが、キャリアコンサルティングそのものの認知度の低さです。裏を返せば、この認知度の低さが解消され、企業や個人が制度の存在とメリットをより広く知るようになれば、利用機会自体がさらに拡大する余地は大きいということでもあります。JILPTは別の報告のなかで、キャリアコンサルタントには従来型の解決型支援だけでなく、相談者自身の気づきを促し能力開発を後押しする開発型支援の能力向上が求められているとも指摘しており、今後は転職や再就職の相談に応じるだけでなく、相談者の潜在的な可能性を引き出す、より能動的な役割へと変わっていくことが予想されます。
厚生労働省が実施している能力開発基本調査によれば、社内に「キャリアコンサルティングを行う仕組みがある」と回答した事業所の割合は、キャリアコンサルタントが国家資格化された後も例年4割前後で推移しており、大きな伸びは見られていません。この数字だけを見ると企業への普及はまだ道半ばのようにも映りますが、裏を返せば残る6割の事業所には今後導入の余地が十分に残されているということでもあります。同じ調査では、経験者のうち今後も相談を受けたいと答えた割合が48.2%に達したのに対し、未経験者では15.0%にとどまっており、この差は制度自体の認知度の低さに起因すると分析されています。専門家への相談経験がある人ほど職業生活やキャリアに対する満足感が高いという結果も示されており、企業への導入が進み認知度が上がるほど、キャリアコンサルタントの活躍の場はさらに広がっていく可能性があります。
老後の資格選びは年金収入と組み合わせる現実的な視点が鍵
キャリアコンサルタントの需要が増加している背景には、終身雇用の崩壊による転職の一般化、働き方の多様化、企業における人材定着施策としてのキャリア支援強化といった雇用構造そのものの変化があります。加えて、高年齢者雇用安定法の改正による70歳までの就業確保の努力義務化、人生100年時代の到来によるリスキリングの必要性の高まりといった制度的・社会的な追い風も見逃せません。厚生労働省が掲げてきた登録者10万人という目標にはまだ届いていないものの、キャリアコンサルタントという資格そのものの認知度や社会的な信頼は着実に高まっています。
老後の資格としてキャリアコンサルタントが注目される理由は、社会全体の需要増加という追い風に加え、長年の社会人経験がそのまま強みになること、体力的な負担が少なく長く続けやすいこと、働き方の自由度が高く独立開業も選べること、国家資格としての信頼性が得られることなど、シニア世代の事情に合致する特性を多く備えている点にあります。定年を迎えた後も社会とのつながりを持ちながら、これまでの経験を次の世代のために生かしたいと考える人にとって、キャリアコンサルタントは有力な選択肢の一つです。資格取得には相応の時間と費用がかかるものの、専門実践教育訓練給付金など公的な支援制度を活用すれば負担を抑えられますし、人材開発支援助成金のように企業側の導入コストを軽減する制度も整いつつあります。政府がキャリアコンサルタントの機能強化に予算を投じ、企業内での活用がまだ4割程度にとどまるという現状は、裏を返せば今後の伸びしろがそれだけ大きいということでもあります。老後の資格として一時的な収入だけを目的にするのではなく、これまで積み重ねてきた社会人経験を土台に、相談者一人ひとりの気づきや変化に寄り添う仕事として捉えるなら、キャリアコンサルタントは息長く続けられるセカンドキャリアの選択肢になるでしょう。社会的なニーズの高まりと制度的な後押しが重なり合う今、老後のセカンドキャリアとしてこの資格が選ばれる場面は、これからも増えていくと考えられます。









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