行政書士資格を活用した老後の副業として、遺言書作成業務は非常に有望な選択肢です。行政書士に遺言書作成を依頼する場合の報酬単価は、自筆証書遺言の原案作成で5万円程度から、公正証書遺言の作成サポートで20万円前後が相場となっています。行政書士には定年や年齢制限がなく、在宅でも業務が可能なため、年金を受給しながら副収入を得る働き方として注目を集めています。
人生100年時代と言われる現代において、定年退職後も働き続けたいと考える方は増加しています。行政書士資格は、高齢化社会の進展に伴い需要が高まっている遺言書作成や相続関連業務を扱うことができ、老後のセカンドキャリアとして適した資格です。本記事では、行政書士として遺言書作成業務を副業で行う際の報酬単価や開業費用、成功するためのポイントについて詳しく解説します。

行政書士とは何か
行政書士とは、行政書士法に基づく国家資格者であり、官公署に提出する書類の作成や、権利義務・事実証明に関する書類の作成を業として行うことができる専門家です。「街の法律家」とも呼ばれ、市民に身近な法律サービスを提供する役割を担っています。
行政書士が取り扱う業務は非常に幅広く、建設業許可申請、会社設立、在留資格申請、相続関連手続き、遺言書作成支援など多岐にわたります。中でも相続・遺言関連業務は、高齢化社会の進展とともに需要が急増している分野であり、行政書士にとって重要な業務領域となっています。
行政書士になるためには、主に3つの方法があります。最も一般的なのは行政書士試験に合格する方法です。また、弁護士・弁理士・公認会計士・税理士の資格を持っている場合は、行政書士試験を受けずに行政書士として登録することができます。さらに、公務員として行政事務を一定年数経験した場合には「特認制度」を利用して資格を取得することが可能です。特認制度では、17年以上(中卒の場合は20年以上)の行政事務経験があれば、試験を受けずに行政書士資格を得ることができます。
老後の副業に行政書士が適している理由
老後の副業として行政書士が適している理由は複数あります。
最も大きな理由は、行政書士という資格には定年や年齢制限がないことです。一度資格を取得すれば、いつでも行政書士会に登録でき、何歳になっても行政書士として活動することができます。資格に有効期限は設けられていないため、取得後に登録を行わなくても資格が消えることはありません。会社員時代に行政書士試験を受験し資格を取得しておいて、10年後、20年後に会社を定年退職したあとに行政書士登録を行うことも可能です。
行政書士は独立開業に適した資格であり、パソコンなどの設備さえあれば在宅でも仕事ができます。自宅を事務所として開業すれば、事務所の賃料がかからないため、低コストで事業を始めることができます。通勤の必要もなく、自分のペースで仕事を進められるため、体力的な負担も少なくて済みます。
行政書士の仕事を兼業で行うことを禁止する規定はありません。会社員などの本業がある人でも、兼業で行政書士の仕事をすることは可能です。定年後に年金を受給しながら、行政書士として副収入を得るという働き方も十分に実現できます。
実際に、会社員を勤めあげたあとセカンドキャリアとして行政書士を選ぶ人や、公務員を退職し特認制度を利用して行政書士になる人も多く存在します。定年後に行政書士として活動している61歳元公務員男性の例では、在宅で書類作成代行を行い、月収15万円から20万円を得ているというケースもあります。
行政書士試験の難易度と合格までの学習時間
行政書士として活動するためには、まず行政書士試験に合格する必要があります(特認制度を除く)。ここでは行政書士試験の難易度と合格に必要な学習時間について詳しく説明します。
行政書士試験の合格率は、おおむね10パーセント前後で推移しています。一番低いときで約8パーセント、一番高いときで約15パーセントとバラつきはありますが、2024年度試験では受験者数47,785人のうち6,165人が合格しており、合格率は12.90パーセントでした。
行政書士試験の難易度は、偏差値62程度で難関資格に位置付けられます。しかし、弁護士・司法書士・税理士と比べると比較的易しい難易度です。行政書士は弁護士の10分の1程度、司法書士・税理士の5分の1程度の難しさと言われています。
試験範囲は広く、法令科目として憲法、行政法、民法、商法、基礎法学の5科目があります。一般知識科目としては政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解の3科目が出題されます。
合格に必要な勉強時間の目安は、法律に関する知識をどのくらい持っているかで大きく変化しますが、平均的な勉強時間の目安は600時間から1,000時間程度です。独学の場合は800時間から1,000時間程度、通信講座などを利用すれば500時間から600時間程度で合格を狙えるとされています。
平均値である800時間を目安とした場合、1日あたり1時間の勉強では合格までに2年以上、2時間であれば1年前後、3時間であれば9ヶ月ほどの期間が必要になります。
行政書士試験には受験資格がないため、年齢や学歴に関係なく誰でも受験することができます。合格者の年代を見ると、30代前後の合格率が最も高いですが、社会人や様々な立場の方が幅広く合格しており、シニア世代でも十分に挑戦できる資格です。
行政書士の開業費用と登録手続き
行政書士として活動するためには、行政書士会への登録が必要です。ここでは開業に必要な費用と手続きについて解説します。
行政書士として活動するには、行政書士登録手続きを済ませて、所属する都道府県の行政書士会に登録する必要があります。登録費用は所属する行政書士会によって異なりますが、約30万円程度が必要となります。
東京都行政書士会の場合、登録諸費用は入会金20万円、登録手数料2万5,000円で、合計22万5,000円です。日本行政書士会連合会会則では、登録手数料は25,000円と定められています。入会金や各種費用は都道府県行政書士会ごとに金額が異なるため、正確な金額は登録予定の都道府県行政書士会のウェブサイト等を確認してください。
登録後は年会費の支払いが必要です。行政書士の年会費は約8万円程度で、弁護士に比べると非常に安価です。ただし、行政書士登録を抹消しない限り、行政書士会費を支払い続ける必要があります。年会費を滞納すると、まず行政書士会から催促を受け、長期滞納が続くと会員資格の停止や廃業勧告を受ける可能性があります。
開業に必要な総費用について、行政書士は比較的低資本で開業できると言われており、開業資金の概算相場はおよそ100万円から150万円程度とされています。ある開業1年目の行政書士によると、開業にかかった費用は約70万円弱で、最も大きい出費は行政書士会への登録費用で約23万円かかったとのことです。
主な費用内訳としては、入会費・登録料・会費などで約28万円、名刺や印鑑、デスクやキャビネット、金庫など事務用品の購入に約10万円、ホームページ作成やサーバー・ドメイン使用料、チラシ作成などで約5万円、専門書の購入や講座受講などで約10万円が見込まれます。自宅を事務所として利用すれば、事務所を借りる場合にかかる保証金や敷金、当月分の家賃といった初期費用約100万円程度を節約することができます。
遺言書の種類と行政書士が関わる業務
遺言書には主に3つの種類があり、行政書士はそれぞれの遺言書作成を支援することができます。
通常、遺言には本人を筆者とする「自筆証書遺言」、公証人を筆者とする「公正証書遺言」、筆者の不特定の「秘密証書遺言」の3種類があります。行政書士は、これら全ての遺言書作成の支援を行います。公正証書遺言では証人としての立会い、秘密証書遺言ではその作成支援を含む業務を行います。
自筆証書遺言は、遺言者本人が遺言の全文、日付、氏名を自分で手書きして押印する遺言書です。遺言書の本文はパソコンや代筆で作成することはできませんが、民法改正によって2019年1月13日以降、財産目録についてはパソコンや代筆でも作成できるようになりました。
法務局では「自筆証書遺言書保管制度」が実施されており、法務局(遺言書保管所)で自筆証書遺言を預かり、その原本及びデータを長期間適正に管理します。原本は遺言者死亡後50年間、画像データは遺言者死亡後150年間保管されます。保管の際は法務局職員が民法の定める自筆証書遺言の方式について外形的な確認を行います。この制度を利用すれば検認が不要となり、相続人等が速やかに遺言書の内容を実行できます。
公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思を聴取して作成する遺言書です。公証人という法律の専門家が作成するため、遺言内容の法律解釈に争いが起きることは少なく、形式不備により遺言が無効になることもありません。公正証書遺言は文書としての証拠力が非常に強く、また検認手続きも不要です。
公正証書遺言の作成手順
公正証書遺言を作成する際の具体的な手順について解説します。
まず財産の把握を行います。公正証書遺言を作成するにあたっては、最初の作業として預貯金や株式、不動産など、自身の財産を洗い出す作業からスタートします。財産の全体像を把握することで、誰に何を相続させるかを検討する基盤ができます。
次に原案の作成を行います。財産状況を把握し、何を誰にどれだけ渡したいのか大まかに決まったら、次は遺言書の原案を作成します。公正証書遺言は公証人が関与して作成しますが、公証人がゼロから原案を作成してくれるものではありません。行政書士などの専門家が作成する場合は比較的完成に近い形の書面で作成しますが、個人で作成する場合は形式にとらわれず、財産内容と誰にどれだけ渡すのかを書き記すと良いでしょう。
続いて公証人との打合せを行います。公正証書遺言は、士業者や銀行等を介して公証人に相談や作成の依頼をすることもできますが、遺言者やその親族等が直接公証役場に連絡をしたり、予約を取って公証役場を訪れたりして、公証人に直接相談や作成依頼をすることも可能です。
最後に作成当日の手続きを行います。遺言当日には、遺言者本人から公証人に対し、証人2名の前で遺言の内容を改めて口頭で告げます。公証人は、それが判断能力を有する遺言者の真意であることを確認した上で、遺言公正証書の原本を遺言者および証人2名に読み聞かせ、または閲覧させて、遺言の内容に間違いがないことを確認してもらいます。その後、遺言者と証人が署名押印し、最後に公証人が署名押印して公正証書遺言が完成します。
行政書士による遺言書作成の報酬単価
行政書士に遺言書作成を依頼する場合の報酬単価について、詳しく解説します。
行政書士に遺言書(原案)の作成を依頼する場合の一般的な相場は、5万円から20万円前後です。 司法書士と同程度か、やや低い金額水準となっています。多くの場合、公正証書遺言の方が自筆証書遺言よりも高額に設定されています。
遺言書の原案作成のみの依頼であれば約5万円からとなりますが、公正証書遺言の作成サポートについて必要書類の代行収集なども丸ごと依頼する場合は、行政書士報酬は20万円前後になるのが一般的です。
証人の手配も行政書士に依頼する場合は別途費用がかかります。行政書士に証人を依頼する場合の費用相場は、証人1人につき約1万円からが相場です。公正証書遺言の作成には証人2名が必要であるため、証人を依頼する場合は約2万円の追加費用がかかることになります。
他の専門家との報酬比較について見てみましょう。弁護士に遺言書作成を依頼する場合は約10万円から100万円、司法書士の場合は約5万円から15万円、行政書士の場合は約5万円から20万円、信託銀行・信託会社の場合は約30万円から100万円が相場とされています。行政書士は、弁護士や信託銀行と比べて費用を大幅に抑えることができます。
| 依頼先 | 報酬相場 |
|---|---|
| 弁護士 | 約10万円〜100万円 |
| 司法書士 | 約5万円〜15万円 |
| 行政書士 | 約5万円〜20万円 |
| 信託銀行・信託会社 | 約30万円〜100万円 |
印紙代、郵便料金、戸籍等取得費用、交通費等については別途実費が必要となります。また、公正証書を作成する場合は公証人への手数料も別途必要です。公証人手数料は遺産の価額に応じて定められており、3,000万円を超え5,000万円以下の場合は29,000円、5,000万円を超え1億円以下の場合は43,000円となっています。
遺言執行者としての業務と報酬
行政書士は遺言書の作成支援だけでなく、遺言執行者としての業務も行うことができます。
遺言執行者とは、遺言書の内容に沿って相続手続を代行する者です。 遺言書を作成する際には、あらかじめ行政書士などの専門家を遺言執行者として指定しておくことも少なくありません。
遺言執行者の主な役割としては、遺言者の財産の種類や所在、数量を確認し財産目録を作成すること、相続人の範囲を把握すること、そして遺言者の財産を管理しながら預貯金の解約や不動産・株式の名義変更などの手続きを行うこと等が挙げられます。
遺言執行者を行政書士に依頼する場合の報酬相場は、20万円から40万円前後です。 遺言の対象とする財産の額によっても報酬額は異なります。行政書士は他の士業と比べると比較的依頼しやすい価格でサービスを提供している傾向にあります。
遺言執行者の報酬の相場を専門家別に比較すると、報酬が大きい順に「信託銀行、弁護士、司法書士、行政書士」となっているのが一般的です。信託銀行は最低報酬額が100万円から150万円からのところが多いようです。弁護士に依頼する場合の報酬相場は30万円から100万円前後、司法書士に依頼する場合は20万円から75万円前後です。
行政書士の遺言執行者としての報酬は、20万円から遺産総額の0.5パーセント前後としているところが多く、すべての専門家よりも低い金額で遺言執行の報酬を設定している事務所が多いようです。
遺言書に報酬額を定めていない場合は、遺言執行者と相続人全員の合意によって報酬額を決めます。話し合いによって決まらない場合は、遺言執行者の報酬付与の申立により家庭裁判所で報酬額を決めてもらうことができます。遺言執行者の報酬は遺産総額の1パーセントから3パーセントが相場になります。
副業としての遺言書作成業務のメリット
行政書士として副業で遺言書作成業務を行うことには、多くのメリットがあります。
まず、経済的な安定を保ちながら実務経験を積むことができます。 副業であれば、本業からの収入があるため経済的な不安を抱えることなく、じっくりと行政書士の仕事を軌道に乗せることができます。将来的に独立開業を目指している場合でも、副業として実務の経験を積んでおくことによって、本業にした際にもスムーズに仕事を進めることができます。
次に、人脈を築きながら顧客を獲得できます。 実際に働くことによって人脈を築くことができ、ある程度の顧客を掴んだ上で開業できるので、早い段階から収入を安定させることができます。
遺言書作成業務は時間的な融通が利きやすい業務でもあります。 依頼者との打ち合わせは土日や夕方以降に設定することも可能であり、書類作成作業は自宅で行うことができます。本業のある平日日中以外の時間を活用して業務を行うことができるため、副業として取り組みやすい分野です。
また、遺言書作成業務は単発の業務として完結するため、スケジュール管理がしやすいという特徴もあります。 建設業許可申請のように更新手続きが定期的に発生する業務とは異なり、一度遺言書を作成すれば業務は完了します。遺言書の書き直しを依頼されることもありますが、その場合も別途新規の依頼として受けることができます。
副業行政書士として成功するためのポイント
副業として行政書士業務を行い、成功するためのポイントについて解説します。
日本行政書士会連合会による報酬額の統計によると、行政書士の案件報酬は平均して約10万円という結果が出ています。副業で行政書士をする際は、時間が限られることを加味して1ヵ月に10万円の売上があればかなり良い方でしょう。
成功のための第一のポイントは、得意分野を明確にすることです。行政書士の業務範囲は非常に広いため、すべての分野に精通することは困難です。遺言書作成や相続関連業務など、特定の分野に特化してサービスを提供することで、専門性をアピールし、依頼を獲得しやすくなります。
第二のポイントは、ホームページやSNSを活用した情報発信です。インターネットを通じて自分の専門分野や実績を発信することで、見込み客からの問い合わせを獲得することができます。特に遺言書作成を検討している高齢者の家族など、インターネットで情報収集をする層にアプローチすることが重要です。
第三のポイントは、地域に根ざした活動を行うことです。地域の商工会議所や法人会、各種セミナーなどに参加し、地域の人々との関係を築くことで、口コミによる紹介を得ることができます。特に遺言書作成業務は、信頼関係が重要な業務であるため、地域での信頼構築が重要です。
第四のポイントは、他の士業や専門家との連携を構築することです。遺言書作成業務は、相続税の申告(税理士)、不動産の登記(司法書士)、相続争いの解決(弁護士)など、他の専門家の業務と関連することが多くあります。他の専門家と良好な関係を築き、相互紹介の仕組みを作ることで、案件を獲得しやすくなります。
行政書士業務を行う際の注意点
行政書士として副業を行う際には、いくつかの重要な注意点があります。
まず、行政書士としての業務を全うする責任があります。 たとえどんなに本業が忙しくても、記入ミスをしたり提出を遅らせたりすることは絶対にできません。依頼者の権利や利益に直接関わる業務であるため、常に正確かつ迅速な対応が求められます。
次に、守秘義務の遵守が必要です。 行政書士には行政書士法12条という法律によって厳格な守秘義務が定められています。依頼者の個人情報や財産情報など、業務上知り得た秘密を漏洩することは禁じられており、これに違反した場合は法的責任を問われることになります。
また、本業との両立における時間管理も重要です。 副業で行政書士業務を行う場合、限られた時間の中で依頼者の要望に応える必要があります。依頼を受ける前に、自分が対応できる業務量を見極め、無理のない範囲で受任することが大切です。
さらに、本業の就業規則を確認することも必要です。 多くの企業では副業を禁止または制限している場合があります。本業の会社に副業が認められているかどうか、事前に確認しておくことが重要です。副業が認められている場合でも、届出が必要な場合があります。
報酬の設定についても注意が必要です。 安すぎる報酬設定は、行政書士業界全体の価格破壊につながる恐れがあるだけでなく、サービスの質を維持することが難しくなります。適正な報酬を設定し、その対価に見合った品質のサービスを提供することが、長期的な成功につながります。
2024年の相続登記義務化と遺言書作成の重要性
2024年には相続に関する重要な法改正がありました。行政書士として活動する際には、最新の法改正情報を把握しておくことが重要です。
2024年4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。 相続等により不動産を取得した相続人は、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請を行うことが必要になっています。正当な理由がないのに申請をしなかった場合には、10万円以下の過料の適用対象となります。
この法改正により、遺言書作成の重要性がさらに高まっています。遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があり、協議がまとまらない場合は相続登記が困難になります。一方、遺言書があれば、遺言の内容に従って速やかに相続手続きを進めることができます。
また、遺言書を作成する際には、不動産の相続についても明確に記載しておくことが推奨されます。遺言書に不動産の相続人が明記されていれば、その遺言書を根拠として相続登記を行うことができ、遺産分割協議を経る必要がありません。
行政書士として遺言書作成を支援する際には、この相続登記義務化についても依頼者に説明し、不動産の相続について適切なアドバイスを提供することが重要です。
遺言書作成業務の今後の展望
高齢化社会の進展に伴い、遺言書作成業務の需要は今後も増加することが予想されます。
日本の高齢化率は世界でもトップクラスであり、今後も高齢者人口は増加を続けると予測されています。高齢者が増えるということは、相続が発生する件数も増えることを意味します。そのため、遺言書作成や相続手続きに関する需要は、今後ますます高まることが予想されます。
また、核家族化の進行や離婚・再婚の増加により、相続関係が複雑化しているケースも増えています。相続人間のトラブルを防ぐためにも、遺言書を作成しておくことの重要性が認識されるようになってきています。
さらに、デジタル資産の増加も遺言書作成業務に影響を与えています。仮想通貨やオンライン口座、SNSアカウントなど、従来は存在しなかった新しい形態の資産について、遺言書でどのように扱うかを検討する必要が出てきています。
行政書士としてこれらの社会的変化に対応し、依頼者のニーズに応えるサービスを提供することができれば、遺言書作成業務で安定した収入を得ることができるでしょう。
報酬設定の考え方と費用を抑えるポイント
行政書士として遺言書作成業務を行う際の報酬設定の考え方と、依頼者側が費用を抑えるためのポイントについて解説します。
報酬設定においては、業務の複雑さ、必要な時間、必要書類の収集範囲などを考慮して決定します。単純な自筆証書遺言の原案作成であれば5万円程度から、公正証書遺言の作成サポートで必要書類の代行収集まで含めると20万円前後が相場となります。
報酬を固定額にするか、相続財産の割合にするかも検討が必要です。固定額にする場合は、依頼者にとって費用の見通しが立てやすいというメリットがあります。一方、割合にする場合は、財産規模に応じた適正な報酬を得ることができます。
依頼者側が費用を抑えるためのポイントとしては、まず夫婦や家族で同時に遺言書を作成することが挙げられます。夫婦や親子で同時に遺言書(公正証書・自筆証書)を作成される場合、一人分の報酬額が半額になるケースもあります。
また、事前に財産目録を自分で作成しておくことで、行政書士の作業量を減らし、報酬を抑えることができる場合があります。戸籍謄本などの必要書類も、自分で取得できるものは自分で取得することで費用を抑えることができます。
WEB限定割引やキャンペーンを活用することも費用を抑える方法の一つです。ホームページから申し込むと割引が適用される事務所もあります。
ただし、報酬が安いという理由だけで選んで、実際は追加費用が多く発生したり、相続人が自分でやらなければいけない事が多かったりする可能性もあります。基本的には煩わしい手続のすべてを適正価格で任せられるかどうかを判断基準にすることが推奨されます。
まとめ
本記事では、行政書士資格を老後の副業として活用し、遺言書作成業務を行う際の報酬単価や始め方について詳しく解説してきました。
行政書士は、定年や年齢制限がなく、在宅でも仕事ができるため、老後の副業として非常に適した資格です。特に遺言書作成業務は、高齢化社会の進展に伴い需要が高まっている分野であり、安定した収入を得る可能性があります。
行政書士試験の合格率は約10パーセント前後で、難関資格ではありますが、弁護士や司法書士と比べると比較的挑戦しやすい資格です。勉強時間は600時間から1,000時間程度が目安とされており、計画的に学習を進めれば合格は十分に可能です。
開業に必要な費用は100万円から150万円程度ですが、自宅を事務所として利用すれば大幅に費用を抑えることができます。年会費は約8万円程度で、他の士業と比べて負担は軽い方です。
遺言書作成業務の報酬単価は、自筆証書遺言の原案作成で5万円程度から、公正証書遺言の作成サポートで20万円前後が相場です。遺言執行者としての報酬は20万円から40万円程度で、他の専門家と比べて比較的手頃な価格でサービスを提供できます。
副業として成功するためには、得意分野を明確にし、ホームページやSNSを活用した情報発信、地域に根ざした活動、他の専門家との連携構築が重要です。また、守秘義務の遵守や本業との両立における時間管理にも注意が必要です。
2024年4月からは相続登記が義務化され、遺言書作成の重要性はさらに高まっています。高齢化社会の進展に伴い、今後も遺言書作成業務の需要は増加することが予想されます。
老後の生活を充実させるとともに、社会に貢献できる仕事として、行政書士資格を活用した遺言書作成業務は魅力的な選択肢です。









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