空き家再生アドバイザーは60代の副業に最適!相談業務で収入を得る方法を徹底解説

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60代から空き家再生アドバイザーとして副業を始め、相談業務で収入を得る方法について知りたい方は多いのではないでしょうか。結論から申し上げると、空き家再生アドバイザーは60代のシニア世代にとって非常に適した副業であり、長年培ってきた社会経験やコミュニケーション能力を活かしながら、初期投資を抑えて始められる点が大きな魅力です。日本では2023年時点で空き家数が900万戸に達し、空き家率は過去最高の13.8%を記録しました。この深刻な社会問題を背景に、空き家所有者からの相談ニーズは年々高まっており、専門知識を持つアドバイザーへの需要は今後さらに増加すると見込まれています。特に2023年12月に施行された空家等対策特別措置法の改正により、管理不全空き家への対応が厳格化されたことで、何とかしなければならないと考える所有者が増えています。60代という年齢は、これまでの職業経験で培った人脈やスキルを最大限に活かせる時期であり、相談業務を通じて収入を得ながら社会貢献もできるという点で、空き家再生アドバイザーはまさに理想的な副業といえます。

目次

日本の空き家問題の現状と深刻化する背景

日本における空き家問題は、年々その深刻さを増しています。総務省が実施した令和5年住宅・土地統計調査の結果によると、2023年10月時点での日本全国の空き家数は約900万戸に達しました。この数字は住宅総数の13.8%を占めており、過去最高の空き家率を更新しています。2018年に実施された前回調査では849万戸でしたから、わずか5年間で51万戸もの空き家が新たに発生したことになります。

空き家の内訳を詳しく見ていくと、特に問題視されているのが「その他空き家」と呼ばれるカテゴリーです。これは賃貸用や売却用、あるいは別荘などの二次的住宅を除いた空き家のことを指し、2023年時点で385万戸に上っています。2018年時点の349万戸から37万戸も増加しており、この「その他空き家」は活用の見込みがなく放置されやすいという特徴があるため、地域社会にとって大きな課題となっています。

都道府県別に空き家率を見ると、地域による差が顕著に表れています。最も空き家率が高いのは和歌山県と徳島県で、いずれも21.2%という高い数値を示しています。次いで山梨県が20.5%、鹿児島県が20.4%となっており、地方部において特に空き家問題が深刻化していることがわかります。一方で最も空き家率が低いのは沖縄県で9.3%です。ただし、大都市圏においても空き家の絶対数は増加しており、都市部だから安心というわけではありません。

空き家が増え続ける背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。第一の要因として挙げられるのが少子高齢化です。地方から都市部への人口移動が続く中で、地方に残された実家を相続しても、そこに住む人がいないというケースが増えています。高齢の親が亡くなった後、子どもたちはすでに都市部で生活基盤を築いており、実家に戻ることが現実的な選択肢ではないのです。

第二の要因は相続問題の複雑化です。相続人が複数いる場合、遺産分割の合意が得られず、空き家のまま放置されるケースが少なくありません。さらに相続登記がなされないまま放置され、所有者不明の状態になってしまうことも深刻な問題です。日本総合研究所の推計によると、空き家増加への寄与が大きい要因は死亡率の上昇であり、多くの都道府県で4ポイントから5ポイント程度、空き家率を押し上げているとされています。

第三の要因は解体費用の負担です。老朽化した住宅を解体するには数十万円から数百万円の費用がかかります。さらに更地にすると固定資産税の住宅用地の特例が適用されなくなり、税負担が増えてしまうことも、空き家を放置する理由の一つとなっています。この税制上のジレンマが、空き家問題の解決を難しくしている側面があります。

将来予測を見ると、状況はさらに厳しくなることが見込まれています。国土交通省の推計では、その他空き家の数は2025年に420万戸、2030年には470万戸程度に達すると予測されています。政府は簡単な手入れで活用可能な空き家の利用促進や、管理不全空き家の除却等を通じて400万戸程度に抑えることを目指していますが、日本総合研究所が2025年3月に発表した推計では、2043年のその他空き家数は597万戸と現在から1.5倍に増加し、空き家率は8.1%に達すると予測されています。

空き家再生アドバイザーという専門資格の概要

空き家再生アドバイザーとは、空き家に特化した専門家として、所有者が抱える様々な問題や悩みに対応する役割を担う資格です。日本空き家再生協会では、空き家に関する専門知識を持ち、各分野の専門家と連携しながら空き家問題の解決に導く人材として、空き家再生アドバイザーの養成と育成を行っています。

空き家再生アドバイザーの主な役割は多岐にわたります。まず最も基本的な役割として、空き家に関する相談対応があります。所有者が抱える「相続した実家をどうすればいいのかわからない」「空き家の管理が大変で困っている」「売却したいが買い手が見つからない」といった悩みに対し、専門家の立場からアドバイスを提供します。

次に重要な役割が最適な活用方法の提案です。売却、賃貸、転用、自己利用など、空き家の状況や所有者のニーズに応じた最良の活用方策を提案します。空き家を有益な資産として再生するためのお手伝いをすることが、空き家再生アドバイザーの重要な使命といえます。

さらに専門家ネットワークの活用も欠かせない役割です。空き家問題は不動産、税務、法律、建築など多岐にわたる専門知識が必要となります。空き家再生アドバイザーは、弁護士、税理士、司法書士、建築士、不動産業者などの専門家と連携し、総合的な問題解決を図ります。

空き家に関連する資格は複数存在しており、それぞれに特徴があります。日本空き家再生協会が認定する空き家再生アドバイザーは、1か月間のうちに6つのオンライン講習を受講することで資格認定を受けることができます。講習内容は「空き家と相続問題(譲渡所得税・相続税贈与税)」「空き家と相続問題(遺言書・遺産分割)」「空き家再生実務」の3分野に分かれており、それぞれ前編と後編の計6講習という構成になっています。認定登録の際には登録料10,000円と毎月会費1,000円がかかります。

全国空き家流通促進機構が認定する空き家再生診断士は、空き家や空き地の活用、処分、維持管理、継承など、所有者が求める条件に沿ったアドバイスを行うための専門知識を習得できる資格です。講座カリキュラムは「空き家再生診断士が知っておくべき基礎知識」「空き家の流通」「持続可能なまちづくり」「空き家再生の様々な事例」の4つで構成されています。特定の国家資格保有者は受講料が20%割引となり23,760円で受講でき、登録証の発行には11,000円の登録手数料が必要です。

認定空き家再生診断士は、国家資格所有者が空き家再生診断士の講座を受講し認定試験に合格することで付与される上位資格であり、より専門性の高いアドバイスが求められる場面で活躍できます。また空き家再生協会が認定する空き家再生士は、空き家が現在選べる選択肢を専門家として適切に分析し所有者に提案するスキルを習得できる資格で、認定試験は申込み後1か月間は何度でも受けることができます。

全国空き家アドバイザー協議会の資格を取得すると、「空き家課題トータルコンサルタント」として空き家をお持ちでお困りの方や自治体からの相談に対応したり、「サスティナブルなまちづくりプランナー」として個人や企業、行政を巻き込んだ地域づくりを先導することができます。資格を活かして市の空き家相談員や移住コンシェルジュなど、行政と民間の橋渡し役を務める方が増えています。

資格取得のメリットとしては、まず専門知識の習得が挙げられます。空き家問題に対処するためには法律や税務、不動産市場の動向に関する深い理解が求められますが、講座を受講し専門資格を取得することで、空き家に関する課題を解決するための提案ができるようになります。次に信用度の向上があります。資格を取得することで名刺に記載でき、クライアントからの信頼を得やすくなります。特に高齢の空き家所有者は資格を持った専門家に相談したいと考える傾向があります。さらにネットワークの拡大も重要なメリットです。資格取得者同士の交流や協議会・協会を通じた人脈形成が可能であり、これらのネットワークは実際の相談業務において非常に役立ちます。

ただし注意すべき点として、資格を取得することが即座に仕事につながるわけではないということがあります。資格はあくまでもスタート地点であり、実際の経験を積み重ねながらスキルを磨いていくことが重要です。

60代から副業を始める意義と空き家再生アドバイザーが適している理由

60代以上のシニア世代で副業に取り組む人が増えている背景には、いくつかの社会的・経済的要因があります。まず最も大きな要因として挙げられるのが、年金だけでは不十分な生活費の問題です。厚生労働省の令和5年度データによれば、厚生年金の平均月額は約14万7千円、国民年金は約5万7千円に過ぎません。総務省の家計調査(2024年)によると、高齢夫婦無職世帯の平均支出は月26.4万円ですが、年金収入は平均で約20.7万円にとどまり、毎月5万円から6万円の赤字を補う必要があるのが実情です。この老後2000万円問題とも呼ばれる年金不足を補うため、副業による収入確保を考える方が増えています。

次に健康寿命の延伸があります。日本人の平均寿命は延び続けており、60代はまだまだ働ける年齢です。社会とのつながりを持ち続けることは心身の健康維持にも良い影響を与えます。さらに政府の後押しもあります。2024年に閣議決定された「骨太の方針2024」では、意欲ある人が生涯活躍できる社会を実現するべく、若者のみならず中高年を含めた全世代のスキル向上を打ち出しました。学び直しのための「教育訓練給付」の給付率を最大70%から80%へ引き上げた上で、対象資格・講座を拡大することが明記されています。

freee株式会社の調査では、「起業に関心がある」という50代・60代のシニア層のうち32.1%が3年以内に起業を実現したいと回答しています。具体的には「コンサルタント業(13.7%)」「教育・学習支援(10.0%)」という回答が多く、多くの人がこれまでの経験で培ったノウハウを活かした仕事をしたいと考えていることがわかります。

60代が副業で成功するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。過去の経験を活かすことが最も重要です。シニア世代が副業を始める際、過去の経験を活かした仕事を選ぶことが極めて重要です。採用企業は主にスキルや経験を重視しており、未経験の分野では採用されにくく、採用されても単価が低くなる傾向があります。一方で長年培った専門知識や技能を活用できる職種では、高い評価と報酬が期待できます。

初期投資を抑えることも大切です。初めて副業にチャレンジする場合は、初期投資や失敗したときのリスクが少ない仕事を選ぶことが重要です。副業は利益が出るまでに時間がかかるケースが多く、十分な資金を用意していないと生活に影響を与えてしまう可能性があります。シニア起業で成功例が多いのは、前職の経験を活かして初期投資の少ないコンサルタントや士業、営業代行などの事業形態です。

自宅を活用することも有効です。自宅事務所やシェアオフィスで家賃などの固定費を抑え、前職の人脈を活かした紹介やホームページ・SNSを使ったオンラインで集客する方法が効果的です。在宅でできる副業は身体的な負担が少なく、通勤の必要もないため、60代からでも安心して取り組めます。

謙虚な姿勢で学び続けることも必要です。副業・兼業でつまずかないためには、肩書や過去の成功体験を捨てて学び直す「アンラーニング」と「リスキリング」が大事です。副業・兼業においては、若い世代も含めた他者と協業し、自分に求められていることを謙虚に考え臨む姿勢が必要です。

副業を始める際の注意点もあります。現在企業などに在職中の方は、副業を始める前に勤務先の就業規則を必ず確認しましょう。企業によっては副業を禁止している場合や事前申請が必要な場合があります。また健康管理も重要であり、無理をして体調を崩しては元も子もありません。自分のペースで取り組めるスケジュール管理が大切です。資金管理にも気を配り、長い人生を過ごすための事業資金と老後資金を分けたマネープランを立てることが重要です。副業の収入と経費をきちんと記録し、確定申告の準備を怠らないようにしましょう。

空き家再生アドバイザーとしての相談業務の実際

空き家再生アドバイザーが行う相談業務は多岐にわたります。相続に関する相談は最も多い相談内容の一つです。「親が亡くなり実家を相続したがどうすればいいかわからない」「相続人が複数いて話し合いがまとまらない」といった悩みに対し、状況を整理し適切な専門家(税理士、司法書士、弁護士など)につなぐ役割を果たします。

売却に関する相談も多く寄せられます。「空き家を売りたいが買い手が見つからない」「不動産業者に断られた」という声に対し、空き家バンクの活用や地域の不動産業者との連携、リノベーション後の売却など様々な選択肢を提案します。

賃貸・活用に関する相談では、「空き家を賃貸に出したい」「民泊として活用したい」「地域のコミュニティスペースにしたい」といったニーズに対し、法的な手続きや改修の必要性、収益性などについてアドバイスします。

管理に関する相談も重要です。「遠方に住んでいて管理ができない」「草木が伸びて近隣から苦情が来ている」という問題に対し、管理サービスの紹介や定期的な巡回の仕組みづくりなどを提案します。

解体に関する相談では、「老朽化が進んでいるので解体したい」「解体費用がいくらかかるか知りたい」という声に対し、補助金制度の活用や信頼できる解体業者の紹介などを行います。

自治体との連携も空き家再生アドバイザーとして活動する上で非常に重要です。多くの自治体では空き家問題に対応するための相談窓口を設けています。京都市では「地域の空き家相談員」制度があり、全ての区役所・支所を会場として「空き家相談員による不動産無料相談会」をほぼ毎月無料で開催しています。また流通していない戸建て・長屋建ての空き家等を活用・流通させる場合に、相談員及び建築士を無料で現地に派遣しています。

東京都は「空き家ワンストップ相談窓口」を設置し、空き家所有者等及び空き家活用希望者からの相談に無料で応じています。千葉市の「すまいのコンシェルジュ」では一般的な相談に応じるとともに、相談者の希望により千葉市と空き家の協定を締結している専門家団体の相談窓口につないでいます。国分寺市では「空き家相談員」制度があり、基本的な相談は無料ですが各専門家の紹介など具体的な仕事を依頼する際は有料となる場合があります。大阪市では2016年4月から各区役所に空家相談窓口を設け、倒壊等の危険や衛生上有害、景観を損なっているなど放置することが不適切な状態にある特定空家等の対策を進めています。

全国空き家アドバイザー協議会は、2025年11月時点で全国に64支部が設立されており、自治体と連携して空き家問題の解決に取り組んでいます。資格を活かして市の空き家相談員や移住コンシェルジュなど、行政と民間の橋渡し役を務める方も増えています。

空き家問題は複合的な課題を含むため、一人の専門家だけでは解決できないケースがほとんどです。そのため様々な分野の専門家とのネットワークを構築することが重要です。不動産業者との連携は基本となり、売却や賃貸の際には地域の不動産市場に精通した業者との協力が不可欠です。空き家専門の不動産業者や古民家に強い業者など特色ある業者とのつながりを持っておくと良いでしょう。

税理士との連携も重要で、相続税、譲渡所得税、固定資産税など空き家に関連する税務は複雑です。適切な税務アドバイスができる税理士との連携により、所有者に最適な提案ができます。司法書士との連携は登記に関する問題で必要となり、相続登記の義務化に伴い登記に関する相談は増加しています。所有者不明の空き家の問題解決にも司法書士の協力が欠かせません。

弁護士との連携は法的なトラブルの際に必要であり、相続争い、境界紛争、近隣トラブルなど法的な対応が必要な場面で弁護士につなぐことができれば迅速な問題解決が可能です。建築士・工務店との連携はリノベーションや改修の際に重要で、空き家を活用するためには建物の状態を正確に把握し適切な改修を行う必要があります。解体業者との連携も必要であり、老朽化した空き家の解体が最適な選択肢となる場合もあります。適正な価格で信頼できる工事を行う業者を紹介できることは、相談者にとって大きな価値となります。

空き家再生アドバイザーの収入形態と副業としての働き方

空き家再生アドバイザーとしての収入は活動形態によって様々です。相談料については、空き家の管理に関しては媒介報酬とは別に報酬を受け取ることが可能です。コンサルティング業務は媒介業務とは別業務であり、報酬は媒介報酬規制の適用がないことが通達で明確化されています。一件の空き家からさまざまなビジネスが展開できる可能性があります。

ただし初期相談を無料で行い、具体的な業務依頼の段階で報酬を得るというモデルが一般的です。東京を中心に活動する空き家活用コンサルティングでは、提案書の作成や活用の相談にかかる料金は無料としているケースもあります。これは相談のハードルを下げ多くの案件を獲得するための戦略です。

紹介料・仲介料という形態もあり、相談者を専門家(不動産業者、解体業者、リフォーム業者など)につないだ際に紹介料を受け取る場合があります。これは相談者からではなく紹介先の業者から受け取ることが一般的です。

セミナー講師料という収入源もあり、空き家に関するセミナーや勉強会の講師として登壇することで講師料を得ることができます。自治体や金融機関、不動産業者団体などが主催するセミナーで講師を務める機会があります。

自治体からの委託業務という形もあり、自治体の空き家相談窓口の相談員として委託を受ける場合は報酬が支払われます。全国空き家アドバイザー協議会では、資格を活かして市の空き家相談員として活動する方が増えています。

空き家関連ビジネスの市場規模は拡大を続けています。リフォーム産業新聞社の調査によると、空き家の潜在市場規模は9兆601億円と推計されています。この巨大な市場は今後も成長が見込まれます。空き家を宿泊施設に改修し観光客に貸し出して宿泊料を得る民泊ビジネスは、特に近年注目を集めており、訪日外国人観光客の増加に伴い個人が所有する住宅を有料で貸し出す民泊が急成長しています。

東京都では空き家(戸建て住宅)を活用した事業プランを考える起業家を支援するため「政策課題解決型空き家活用支援事業」を実施しており、採択された事業プランに空き家を提供した所有者に対し管理費相当額(固定資産税、都市計画税)を補助する制度があります。青森県でも「空き店舗・空き家活用事業補助金」など空き家を活用しやすくするための補助金制度が運用されています。このような行政の支援制度を熟知しておくことも空き家再生アドバイザーとして重要です。

60代が空き家再生アドバイザーとして副業を始める場合、以下のような働き方が考えられます。週末・休日を活用する方法では、現役で働いている方は土日を中心に相談業務を行うことができます。多くの空き家所有者も週末のほうが相談しやすいため需要と供給が合致します。

オンライン相談を活用する方法も有効です。コロナ禍以降オンラインでの相談が一般的になり、自宅からビデオ通話で相談に応じることができるため移動の負担なく活動できます。地方に住んでいても全国の相談者に対応できる可能性があります。

地域に密着した活動も重要で、地元の空き家問題に取り組むことで地域への貢献と収入を両立できます。地域の不動産業者や行政との関係を築きながら信頼される存在になることが大切です。

段階的に活動を広げていく方法もあり、最初は無料相談から始め実績を積みながら徐々に有料サービスを展開していく方法が現実的です。口コミや紹介で相談者が増えていくことを目指しましょう。

空家等対策特別措置法の改正が空き家再生アドバイザーに与える影響

2023年(令和5年)12月13日に施行された空家等対策特別措置法の改正は、空き家問題への対応を大きく変える内容となっています。改正の最も重要なポイントは「管理不全空き家」という新たなカテゴリーの創設です。これまでは状態は悪くないが使われていない「空き家」と、状態が悪く周囲に悪影響を及ぼす「特定空き家」の2つしかありませんでした。改正によりこの両者の間に位置する「管理不全空き家」が設けられました。

管理不全空き家とは、窓や壁が破損しているなど管理が不十分な状態で、このまま放置すればいずれ特定空き家になる可能性がある空き家を指します。管理不全空き家に指定されると市町村から「助言・指導」が行われ、改善されない場合は「勧告」がなされます。

重要なのは、勧告を受けた管理不全空き家は固定資産税の「住宅用地の特例」が適用されなくなることです。この特例は住宅の用に供する土地の税負担を敷地の面積に応じ通常の1/6もしくは1/3に軽減するものです。特例から除外されると固定資産税は最大6倍、都市計画税は最大3倍になります。

改正法には他にも重要な変更点があります。「空家等活用促進区域」制度が創設され、市区町村に空家等活用促進区域および空家等活用促進指針を定める権限が付与されました。接道規制や用途規制を合理化することで用途変更や建て替え等が促進できるようになりました。

管理不全建物管理人」制度も設けられ、空き家の所有者の代わりに建物を管理する管理不全建物管理人の選出を市区町村長が裁判所に請求できるようになりました。所有者不明や所有者が対応しない場合でも適切な管理が行えるようになります。

所有者情報の提供要請も可能になり、電力会社等にある物件の所有者情報を提供するよう自治体が要請できるようになったため、所有者の特定がしやすくなりました。「空家等管理活用支援法人」制度も創設され、空き家等の管理・活用に取り組むNPOや社団法人などの団体を空家等管理活用支援法人に指定できるようになりました。全国空き家アドバイザー協議会でも空家等管理活用支援法人として指定された地域が7自治体あります。

また2024年4月1日からは「相続登記の義務化」がスタートしました。これにより所有者不明土地や放置された空き家の増加に歯止めをかける取り組みが進んでいます。これまで放置されていた相続登記が進み空き家の所有者が明確になるケースが増えており、所有者が明確になれば空き家の活用や処分に向けた相談も増加すると考えられます。

法改正により空き家所有者への対応はますます厳しくなっており、空き家再生アドバイザーにとってこれは大きなビジネスチャンスです。「何とかしなければいけないが何をすればいいかわからない」という所有者に対し適切なアドバイスを提供できる専門家の需要は高まっています。

全国空き家アドバイザー協議会は、2024年11月にはAirbnb Japan、ゼンリンとともに「全国空き家対策コンソーシアム」に新規参画するなど、業界全体で空き家問題の解決に向けた動きが活発化しています。

60代から空き家再生アドバイザーを始めるための具体的なステップ

60代から空き家再生アドバイザーとして活動を始めるための具体的なステップを解説します。

ステップ1:情報収集と自己分析として、まずは空き家問題や関連資格について情報を収集しましょう。自分のこれまでの経験(不動産、建築、金融、営業など)がどのように活かせるかを考えます。

ステップ2:資格の選択として、複数ある空き家関連資格の中から自分の目的や状況に合った資格を選びます。日本空き家再生協会の「空き家再生アドバイザー」、全国空き家流通促進機構の「空き家再生診断士」、全国空き家アドバイザー協議会の資格など、それぞれの特徴を比較検討しましょう。

ステップ3:講座の受講として、選んだ資格の認定講座を受講します。多くの講座はオンラインで受講可能なため自宅で自分のペースで学習できます。空き家再生アドバイザーの場合は1か月間に6つのオンライン講習を受講します。

ステップ4:認定試験・登録として、講座を修了し必要に応じて認定試験を受けます。合格後は登録手続きを行い正式に資格を取得します。登録料や会費が必要な場合があるので事前に確認しておきましょう。

資格を取得したら実際の活動を始めます。地域の協議会・協会への参加を検討しましょう。全国空き家アドバイザー協議会は全国に64支部があり、設立準備中の支部も40あります。地元の支部に参加することで先輩アドバイザーから学んだり紹介を受けたりする機会が得られます。

自治体との連携を模索しましょう。地元自治体の空き家対策担当課に挨拶に行き相談員として活動できる機会がないか確認します。無料相談会への参加や空家等管理活用支援法人としての活動など様々な連携の形があります。

専門家ネットワークを構築しましょう。地域の不動産業者、税理士、司法書士、建築士などと関係を築いていきます。異業種交流会や勉強会への参加が有効です。

情報発信を始めましょう。ブログやSNSで空き家に関する情報を発信することで相談者との接点を作ることができます。地域の情報誌への寄稿なども検討しましょう。

60代から新しいことを始めるには適切なマインドセットが重要です。長期的な視点を持つことが大切で、副業は利益が出るまでに時間がかかるケースが多いです。短期的な収入を求めるのではなく3年、5年という長期的な視点で取り組みましょう。

謙虚に学び続ける姿勢も重要で、肩書や過去の成功体験を捨てて学び直すアンラーニングの姿勢が大切です。若い世代からも学ぶ姿勢を持つことで新しい知識やスキルを吸収できます。

社会貢献の意識を持つことも重要で、空き家問題の解決は地域社会への大きな貢献です。単なるビジネスとしてではなく社会課題の解決に携わっているという意識が活動のモチベーションになります。

健康第一で取り組むことも忘れてはなりません。無理をして体調を崩しては元も子もありません。自分のペースで楽しみながら活動を続けることが長く続けるコツです。

日本の空き家問題は今後さらに深刻化することが予測されており、空き家再生アドバイザーの需要は高まり続けると考えられます。60代のシニア世代にとって空き家再生アドバイザーは非常に適した副業であり、長年培ってきた社会経験やコミュニケーション能力を活かせること、初期投資が少なく始められること、在宅でも活動できること、そして何より社会問題の解決に貢献できることがその理由です。資格取得から活動開始までのハードルは決して高くなく、オンラインで講座を受講し地域の協議会に参加し少しずつ実績を積んでいくことで、やりがいのある副業として確立することができます。年金だけでは不安な老後の生活設計において、空き家再生アドバイザーとしての活動は収入の補填だけでなく社会とのつながりや生きがいをもたらしてくれるでしょう。

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